code.11 "は?" ページ12
ガチャ
ドアが開いた音で目が覚め、枕の下に隠していたベレッタに手を伸ばす。
足音が近づき...構える
『っ.....ジン、脅かさないでよ』
ジ「...」
彼が無言でベッドの縁に座る。
ジ「頼みがある。」
『頼み...命令じゃなくて?』
ジ「あぁ。宮野明美と買い物に行って欲しい。」
『...は?』
.
.
.
明「...」
『あの...』
無言でスマホを見つめる彼女に声をかける。
『はじめまして、マリーです。』
明「あ...」
ちょっとだけ驚いた顔をした後、彼女はふわりと笑った。
明「宮野明美です。今日はよろしくお願いします!」
『よ、よろしく...とりあえずご飯でも食べよっか!』
ぎこちない雰囲気をかき消すように、近くにあったカフェに入る。
1番奥の席に座ると、彼女は人目を気にするかのように、当たりを見回した。
『大丈夫よ、今日は組織の監視はないから』
明「え?」
『私が頼んで外してもらったの。私にとっては久しぶりの日本だし。たまには女二人、楽しもうよ』
明「あ、ありがとうございます...」
コーヒーとパスタを頼んだ後、お冷を1口飲む。
ちらりと彼女を見ると、どうやらまだ緊張しているらしかった。
『ところで、どうして急に買い物なんて言い出したの?明美ちゃん』
明「あぁ...実は、私今大学の夏休みだから、どうしても組織に軟禁されているような状態になってしまっていて...ちょっと気分転換がしたかったんです。」
『ふぅん...本当は1人で逃げようと思ったんじゃないの?』
明「そ、そんなことは」
途端に慌てた顔になる彼女に、思わず笑いが込上げる。
『ふふ...いいよ。黙っとくから』
明「いえ、本当ですから。私には、妹を置いて逃げるなんて出来ません。」
『妹...?もしかして、』
明「志保って言うんです。聞いた事ありますか?」
『うーん、ないなぁ...』
パスタが届いたところで話を中断する。
私はトマトクリームパスタ
明美ちゃんはカルボナーラを食べた。
『ねえ』
明「はい?」
『この2日間は、友達でいましょ』
明「へ?」
きょとん、とした顔をした明美ちゃんの口から、ストローが落ちる。
『だから、今日は組織のゴタゴタはなしで、私とあなたはお友達。私の名前は"月村紬"。つむぎってよんで。OK?』
明「紬さん...いい名前ですね」
彼女がふわり、と笑った。
明「じゃあ...紬さんって、彼氏いるんですか?」
ブフッ
コーヒーを勢いよく吹き出す。
明「だ、大丈夫ですか!?」
『うん...いきなりすごいこと聞くね』
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iwa(プロフ) - ひろみつくん救済したかった。話変わってしまいますが。でも、これからどんどん引き込まれてよんでいきます。 (2020年3月13日 13時) (レス) id: d46b647962 (このIDを非表示/違反報告)
ベス - エリザベス女王は本当は女王になる予定ではなかったんです。男の子が亡くなり、姉のメアリーも卵巣がんで子供は出来ず想像妊娠となったんですよね。ターンリー卿の暗殺も偽造で無実だったんです。調べてみるとまた違う形が見えてくるかもですよo( ^_^ )o (2019年6月26日 22時) (レス) id: e7c063a61b (このIDを非表示/違反報告)
はな(プロフ) - ベスさん» わぁ、すご...ほんと勉強になります!まだまだ知らないこといっぱいなので、私も調べてみようかな...(..) (2019年6月26日 18時) (レス) id: 476e83acac (このIDを非表示/違反報告)
ベス - 私、メアリー好きなんですよね…ちなみにエリザベスのお母さんのアン・ブーリンの妹もメアリー、エリザベスの異父姉もメアリーの名前ですね。愛され知らずのメアリーがどうしようもないフェリペを好きでその人の為に動いてしまう所も好きですね!♪♪ (2019年6月24日 21時) (レス) id: 137d2adbf4 (このIDを非表示/違反報告)
はな(プロフ) - ベスさん» 凄い、私もそこまで知りませんでした!そうみたいですね、勉強になりました!ありがとうございます〜( *˙˙*) (2019年6月24日 7時) (レス) id: 476e83acac (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:はな | 作成日時:2019年6月12日 8時