【名探偵コナン】BloodyMary【黒の組織】

code.10 "はじめて" ページ11

「フロント?呼んでないが...間違いではないか?」

音を立てないようにヒールを履き、ゆっくりと背後に忍び寄り、指を3本立てる。

カウント、3.2.1...

Go!

標的の首に思いっきり殴りかかる。

『バーボン!』

ﾊﾟｧﾝ!

ピンク色のドレスに血飛沫が飛んだ。

バ「...逃げるぞ!」

バーボンが私の手を取り、走り出す。

バ「マリーを確保しました!裏口に車回してください!」

彼が黒いスーツのジャケットを脱ぎ、私に渡す。

バ「それ、着て」
『...ありがと』

それを羽織って階段を上る。

と、入口には3人ほどの警備員がいた。

バ「胸ポケット」

その言葉に胸元に手を当てると、

『...流石』

胸元からべレッタを取り出す。


ﾊﾟｧﾝ、ﾊﾟｧﾝ、ﾊﾟｧﾝ!


3度の破裂音の後、足元にはすぐに血溜まりが出来ていた。

凄まじい勢いで、目の前に真っ黒な車が停車し、急いで乗り込む。

ベ「おかえり、マリー」
『ただいま』
ベ「すまなかったわ、あなたを危ない目に合わせてしまって。」
『まさか地下に部屋があるなんてね』
ベ「えぇ。地下はポンプ室しかないって聞いてたんだけど...どうやら隠されていたみたいね。」

そう言いながら、彼女は裏道へと車を走らせていく。

ベ「バーボン、あなたよくやったわ。流石よ」
バ「光栄です。」

バーボンがぺこり、と頭を下げる。

ベ「マリー」

ベルモットがミラーごしに私を見る。

ベ「あなた、今回は本当に危なかったわね。危うく最後までさせちゃう所だったんでしょう?」

横でバーボンが、ん?という顔をしている。

『ベ、ベルモット、』
ベ「聞いてちょうだい、バーボン。マリーは意外と乙女なのよ?」



ベ「なんてったってこの子、想い人のために、初めてをず〜っととってるんだから」



バーボンがきょとん、とした顔で私を見たあと、

バ「そ、そうなんですかぁ?っふ、」

必死に笑いを堪えながら言った。
最悪だ...

ベ「マリー、あなた高校生の時からその人のこと好きなんでしょう?きっと相手はとんだ鈍感野郎ね。そう思わない?バーボン。」
バ「えぇ、そうですね!」
『あー!ベルモット!私寝るから!おやすみ!』

がばっ、とバーボンから貰ったジャケットを顔まで被る。
あら、拗ねちゃった、なんていうベルモットの声は、聞こえなかったことにしよう。

すぅ、と深呼吸をする。

スコッチ...ひろみつ。
彼は今頃何をやっているのだろう。

もう一度深く深呼吸をする。
ジャケットからは、零の香りがした。

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