【名探偵コナン】BloodyMary【黒の組織】

code.16 "しゅうにい" ページ17

「マリー!」

背後から自分を呼ぶ声がして振り向くと、長髪の背の高い男と、フードを被った髭の男、それから金髪の男がいた。

『久しぶり、ライ』
ラ「あぁ...中に部屋を借りてある。話はそこでしようじゃないか」

.


.


.


『で、内容は』

バーボンがスマホを取り出す。

バ「組織の傘下にある暴力団、通称"山岡会"の中に、組織に妙に探りを入れてくる奴がいるらしい。ので、そいつの正体をつきとめろ、とのことです。」
『なるほど...』
ラ「ジンの見立てでは、そいつは公安に所属しているんじゃないか、との事だ。」
『公安、ね...見つけ次第抹殺しろと?』


...マズいな。


公安、となるとバーボンとスコッチーー零と景光は潜入捜査をしていることは公となっているから、その男も、対応の仕方は幾分心得ているだろう。


...問題は私だ。


私とその公安の男がエンカウントした場合、その男が風見でない限り、私が潜入捜査をしていることを知らない。よって、親しく話しかけてくる恐れがある。


そして、それをライに見られた場合ーーー



OUTだ。



ラ「いや」

予想とは異なる返答をしたライにハッとする。

ラ「抹殺しなくてもいいらしい。そいつがどこまで知っているのかを探れ、との事だ。」
『殺さなくていい?なぜ?』

ジンらしくない命令に思わず訪ねる。
彼なら"疑わしきは罰する"の精神で殺すと思ったのだが...

ス「日本での殺人、発砲はリスクが高すぎるからな。足がついちゃあ、俺達は終わりだ」

なるほどね...

ラ「俺とマリーは今夜、山岡会傘下のパーティに参加して情報を探る。その間にバーボンとスコッチは山岡会の本部の建物に侵入し、情報を盗みとる。そういう計画になっている。いいな?」
『えぇ。』

なるほど。だからドレスを用意しろ、と。

ライが立ち上がったのに合わせて、全員立ち上がる。

バ「この部屋の鍵は置きっぱなしでいいですね?」
『えぇ、前払いだから問題ないわ』

テーブルの上に置かれていたメモを1枚破りとり、ペンを滑らせる。


"Thank you"


ラ「相変わらずだな」
『...いいでしょ、別に。』

廊下からバーボンが呼ぶ声が聞こえる。

ラ「ほら、行くぞ」
『...うん』


.


.


.


『ふぁぁ〜、また乗り換えかぁ』
ラ「...ちょっと待っててくれるか」

すたすたとライがどこかへ歩いていく。

バ「...?」

code.17 "ドレミ"→←code.15 "風見"

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す