受けが可愛すぎる件について私は激しく議論したい。【歌い手】【実況者】 (ページ44)

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居残り　さかうら　うさぎ。ページ44

「せんせー、ここわかんない」

「せんせー、ここの意味は？」

「せんせー、なんでこうなるの？」

毎日のように俺に聞いてくる、1人の男子生徒。

「だからさ、坂田、何回言えばわかるんだよ…。ここは…」
なんて、毎日教えるけど、一向に成長する気配がない。

「ねぇ、浦田せんせ。なんで僕たちって勉強しなきゃいけないの？わかんないとこはわかんないんだから、しょうがないじゃん」
今日も今日とて、絶賛居残り中の坂田が聞いてきた。
「坂田、俺は『学生の間は勉学に励め』なんて言わないけどさ、最低限の知識は必要だぞ？」
５教科全部赤点とってきた人が言う言葉じゃないだろ…。

少し不貞腐れた顔をしている坂田に、一番苦手な数学のプリントを渡す。

「げ…、また数学…？」

「ほら、今日もがんばるぞ」
声をかけると、集中している様子。

「せんせ、ここの意味がわかんない」
…だったけど、10分もしないうちに俺に声をかけてきた。

「せんせ、僕が赤点取らなくなったら嬉しい？」

「そりゃあ、嬉しいだろうな」

「そっか…」
少し残念がる坂田。なんでだ？

「よし、今日はもう終わりな」
気が付いたら下校時間になっていた。
時間が経つのが早い。

「もう終わり…？」

「うん、ちゃんと家で復習してくるんだぞ」

そう言って、坂田を見送ろうとした。
その時だった、いきなり目が回ったかのような感覚になる。
何が起こったのか、まったく状況を把握できない。

「せんせ、捕まえた」
俺の後ろから坂田の声が聞こえる。
「坂田、離せ。何してんだ？」
「何って…先生を後ろから抱きしめてる？」
抵抗するが、離してくれる気配がないため、諦めてそのままでいることにした。

「僕ね、浦田先生のことが好き」

生徒からの衝撃の告白。しかも男。目の前が真っ白になる。
「坂田、そういうことは…んっ?！」
冗談でも言っちゃだめだぞ、そう言おうと思ったとき、坂田の唇が上から降ってきた。
「冗談じゃない。本気で先生のことが好き」
何を言っているのかがわからない。
確かに、坂田より背は低い。話し方がきついけど、黙ったら大抵の男に舐められそうな顔をしてるし(?)
いや、まず俺男！！
え、坂田ってまさか…

「せんせ、やっぱ僕帰る気ないからもう少しだけここにいる」
悩んでいる俺を置いて、どこかへ行ってしまった。

数分後、

「せんせ、これあげる」
急に首に冷たいものが触れる。
「なっ、何だよ？！」