正当化する赤錆 ページ36
「何笑ってんだよ……。おい、どういう状況か説明しろ。」
振り返って先輩達にそう問う凛。
先輩に命令口調は辞めた方がいいよ、なんて思いながらも凛が私のことを助けてくれているこの状況は先輩達へのお返しだと性格の悪いことが浮かぶ。
後ろで凛くん…と呟く機械のようになっている先輩達を見て心の中でざまあみろと唱えた。
「ちが、凛くんはその女に何か脅されてるんでしょ？」
「だってそんな陰キャ凛くんとは釣り合わないじゃん！」
「その子に弱み握られてるなら私たちが解放してあげようと、」
うそつき。本当は弱みを握られてるなんて思ってもいなかった癖に。私に腹が立ったとそう言えば良いのに、自分を正当化するための嘘がよくもまぁそんなにポロポロと。
お腹の痛みも少し引いてしやすくなった呼吸を整える。
「凛、」
「気持ち悪ぃ＿＿＿」
私が凛の袖を掴もうとすると凛がそう言い放った。
「俺が大切にしたいやつくらい自分で選ぶ。なんでてめぇらに干渉されなきゃなんねーんだよ。」
後ろを向いているせいで表情は見えないけれど、先輩達の青い顔と言葉の鋭さで大体読み取れる。
「今後俺にもこいつにも関わんな。ちょっとでも顔見せてみろ。次の朝日が拝めると思うなよ。」
顔を見せたらなんてかなり厳しい条件では…。と思うも口にはしない。
凛が私の事を守ってくれていると言う事実とこの頼もしい背中に、何故かまた涙が出た。もう悲しくないのに、痛くないのに。
「もう、いいの、凛。」
私は大丈夫だから、と袖を引くと少し落ち着きを取り戻した様に私に無事を確認する。
そのまま流れるようにひざ裏に手を入れ肩を抱かれる。
「えっ！？」
所謂お姫様抱っこというものをされて顔に熱が集まる。
「あの、重いので…」
降ろして下さいと口にするより先に凛が重くねぇよと歩き出してしまう。
あ、まって、と潰れたメガホンを指さすと拾って私に持たせてくれた。
悔しそうに固まる先輩達を酷く睨みつけたときの顔は私でもされたらトラウマになるレベルの凶器顔であった。
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名無し(プロフ) - 真昼さん» コメントありがとうございます。意外と凛視点が需要あるようで良かったです。これからも応援して頂けると幸いです^^* (2023年1月30日 16時) (
レス) id: c37b14cb77 (このIDを非表示/違反報告)
名無し(プロフ) - するめさん» するめさん、続編の方にもコメント頂けて嬉しいです。いつも応援本当にありがとうございます。凛視点はいずれ書きたいと思っていましたが想像よりも長くなってしまいそうです（笑） (2023年1月30日 16時) (レス) id: c37b14cb77 (このIDを非表示/違反報告)
真昼 - 初コメ失礼します！凛視点めちゃくちゃ好きです！！最後まで応援します！ (2023年1月30日 9時) (レス) @page2 id: 3174c03de1 (このIDを非表示/違反報告)
するめ(プロフ) - 続編おめでとうございます〜!!凛視点めちゃくちゃ最高です、、、このお話ほんとに大好きです! (2023年1月30日 5時) (レス) id: 85ee5a5c1b (このIDを非表示/違反報告)
名無し(プロフ) - お酢雨さん» ご指摘ありがとうございます。修正いたしました( _ _ ) (2023年1月29日 22時) (レス) id: c37b14cb77 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：名無し | 作成日時：2023年1月29日 20時
