嫌な音を立てる砥粉 ページ34
5人組の後を着いて行き、着いた先は女子サッカー部の部室裏だった。
「何でしょうか。」
壁を背に囲まれ、良いとは言えない空気に嫌な予感がして声が低くなる。
「高瀬さんさ、凛くんと距離近くね？」
真ん中のリーダー格の様な先輩は特に前置きすることもなく言った。他の先輩が付き合ってんの？と加勢する。
付き合っていませんと否定すると先輩達は目配せして笑った。そしてその内の1人の先輩がスマホを私の目の前に翳した。
「これ、高瀬さんだよね？凛くんが女の子とデートしてたから思わず撮っちゃった。」
先輩の画面には見知った駅の背景に私と凛が歩いているところが映っていた。
「休日のプライベートな時間に盗撮ですか。」
私がそう言うと腹を立てたのか私は肩を強く押され思わず尻餅を付く。
みんなが憧れてる凛くんがお前みたいな芋陰キャと仲良いとか誰も納得しないことくらい分かれよブス＿＿
無情に放たれた言葉にガンと頭を殴られたような衝撃が走る。
そうか。私が嫌がらせを受けるのは凛と仲が良いからでは無く、私が何の取り柄もない暗い女なのに凛に特別扱いを受けているからなのか。
周りから見たら自分の好きな人が私の様な努力もしていない女に取られるなんて確かにたまったものではない。
何も言い返せないで居ると、リーダー格の先輩が私の持っていたメガホンを奪い取って地面に落とした。
コンと落とされたメガホンが酷くスローモーションに見えて、心臓がバクバクと嫌な音を立てる。
急いで上半身に力を入れて体制を直し青緑色のメガホンに手を伸ばす。
パキッ
私が手を伸ばしたメガホンは勢い良く足で潰され無機質な音を立てて変形した。
「酷い……。」
乾いた口から零れる。結月が私の為に作ってくれて、今日はこれで凛のこと応援できたらなんて浮かれて、
「こんなん似合わないからやめたほーがいいよ？」
＿＿＿これ、Aに似合うと思うんだけど、どう？
そう言って揶揄う結月の笑顔を思い出して鼻の奥がツンと痛くなった。
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名無し(プロフ) - 真昼さん» コメントありがとうございます。意外と凛視点が需要あるようで良かったです。これからも応援して頂けると幸いです^^* (2023年1月30日 16時) (
レス) id: c37b14cb77 (このIDを非表示/違反報告)
名無し(プロフ) - するめさん» するめさん、続編の方にもコメント頂けて嬉しいです。いつも応援本当にありがとうございます。凛視点はいずれ書きたいと思っていましたが想像よりも長くなってしまいそうです（笑） (2023年1月30日 16時) (レス) id: c37b14cb77 (このIDを非表示/違反報告)
真昼 - 初コメ失礼します！凛視点めちゃくちゃ好きです！！最後まで応援します！ (2023年1月30日 9時) (レス) @page2 id: 3174c03de1 (このIDを非表示/違反報告)
するめ(プロフ) - 続編おめでとうございます〜!!凛視点めちゃくちゃ最高です、、、このお話ほんとに大好きです! (2023年1月30日 5時) (レス) id: 85ee5a5c1b (このIDを非表示/違反報告)
名無し(プロフ) - お酢雨さん» ご指摘ありがとうございます。修正いたしました( _ _ ) (2023年1月29日 22時) (レス) id: c37b14cb77 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：名無し | 作成日時：2023年1月29日 20時
