頑張って金糸雀 ページ33
始まった体育祭。誰もが必死に走り、応援し、キラキラと輝いていた。
「A！最終レーン糸師凛走るよ！」
私の肩を叩きながら兎のように跳ねる結月の言葉に私はドキンと胸が鳴る。
サッカーをしている姿は何度も見ているから凛が走るところなんて見飽きているけれど、それでもこういった催しの際に見るのはなんだか特別感がある。
凛の隣に並んだ男子が楽しげに何かを話しかけていたが凛はぷいと前を向いてガン無視である。そういうところだ、と心の中で呆れた。
弾けるような音が聞こえた瞬間、颯爽と駆け出したのは凛で、1位で走り抜ける姿に私の心がぎゅうと締め付けられる。
束の間、2位で走っていた男子の急加速で凛との距離が徐々に縮まる。隣で話しかけていた男子だ。
「…頑張って……」
もう少しでゴールだと言うところでいよいよ横に並ばれてしまい私は目を塞ぎたくなった。
私の呟きが聞こえたのか、結月は丁度凛が私の前を走り抜ける時に叫んだ。
「Aが応援してる！！！」
ほんの一瞬、1秒も満たなかったけれどこちらを向いた凛と視線が交わり、凛は急に加速した。
「Aパワーすごっ」
1位でゴールをした凛に結月が笑う。その隣で私の心は喜びのような興奮のような感情で昂っていた。
「格好良すぎる……。」
「本人に言ってやんなー」
汗を拭う凛にどうしてもお疲れ様と言いたくなって結月に声を掛ける。
「次の次、私借り物競争だから行ってきます。」
「嘘つくならもっとそーゆー顔して言いなよ」
移動早すぎ、と笑う結月に背中を叩かれ凛が応援席へ戻ってくるであろう道へ歩き出した。
「＿＿ねぇ、1年の高瀬さんだよね？ちょっといい？」
影から声をかけられて思わず肩が跳ねる。反射的に振り向くとジャージの色的に3年生であろう女子5人組が立っていた。
髪の毛をキラキラと飾り付けて、皆同じようなメイクをしていて可愛らしい先輩達だ。
ついてきてよと腕を組み見下ろされれば強すぎる圧に逆らうことなど出来なかった。
凛に一言言えたら良かった……。
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名無し(プロフ) - 真昼さん» コメントありがとうございます。意外と凛視点が需要あるようで良かったです。これからも応援して頂けると幸いです^^* (2023年1月30日 16時) (
レス) id: c37b14cb77 (このIDを非表示/違反報告)
名無し(プロフ) - するめさん» するめさん、続編の方にもコメント頂けて嬉しいです。いつも応援本当にありがとうございます。凛視点はいずれ書きたいと思っていましたが想像よりも長くなってしまいそうです（笑） (2023年1月30日 16時) (レス) id: c37b14cb77 (このIDを非表示/違反報告)
真昼 - 初コメ失礼します！凛視点めちゃくちゃ好きです！！最後まで応援します！ (2023年1月30日 9時) (レス) @page2 id: 3174c03de1 (このIDを非表示/違反報告)
するめ(プロフ) - 続編おめでとうございます〜!!凛視点めちゃくちゃ最高です、、、このお話ほんとに大好きです! (2023年1月30日 5時) (レス) id: 85ee5a5c1b (このIDを非表示/違反報告)
名無し(プロフ) - お酢雨さん» ご指摘ありがとうございます。修正いたしました( _ _ ) (2023年1月29日 22時) (レス) id: c37b14cb77 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：名無し | 作成日時：2023年1月29日 20時
