雪みたいに萱草 ページ23
心做しか顔が赤いように見える凛が私の頬に手を添え目をじっと見つめる。
＿＿＿絶対これキ、キスをする流れでは…？
先程の重い空気が嘘かのように私の思考はすごい速度で回転を始める。
…でも私、その、初めてのキスだし、こんな風に流されてしまって良いのだろうか。
頭では必死に冷静になろうとしても凛の手の温度を感じてしまえば思考は雪のように溶ける。
心が酷く熱くなって指先が微かに震える。凛なら良いのではないかと、私の心は脳に強く訴えていた。
そう思ってしまえばもう、凛の目が目を瞑れと言っているようにしか見えず、私は目をぎゅっと閉じた。
「＿＿＿熱あんのか？」
期待していた感触は無く、近い距離で聞こえる凛の声に拍子抜けして思わず目を開いた。
「え……？」
心の底から漏れた声だった。
ずっと顔赤いし、頬もだんだん熱くなってるから熱あるんじゃねーかと思って、と絶賛困惑中の私に説明をしてくれる凛。
凛は私の熱の心配してくれていただけで、そういうことを勝手に期待していたのは私だけだったのか。
なんだか自分が恥ずかしくなってこのまま海に飛び込んでしまおうかと思った。もちろんそんなことはしないが。
「…夕日のせいだと思う」
心配してくれてありがとう、と可愛い笑顔も作れないまま私は言い訳をした。私の顔が赤いのは貴方のせいですなんてそんな告白じみたことを言う勇気はない。
確かに、なんか暑いな。とアイスの袋を開けだした凛
私は特に暑さは感じないけれど。むしろ暑い体には丁度良いくらい涼しい風だった。
私もアイスの袋を開けて1口齧るとシャワ、と本来より柔らかい食感で、溶け始めていることを察した。
「アイス、溶け始めちゃってる。」
私がそう言って凛を見ると凛のアイスは私よりも溶けているように見えた。
「凛って冷たそうだけど意外と体温高い？」
「死体か何かだと思ってんのか。」
夕日のせいだろ、と凛はアイスを齧った。
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名無し(プロフ) - 真昼さん» コメントありがとうございます。意外と凛視点が需要あるようで良かったです。これからも応援して頂けると幸いです^^* (2023年1月30日 16時) (
レス) id: c37b14cb77 (このIDを非表示/違反報告)
名無し(プロフ) - するめさん» するめさん、続編の方にもコメント頂けて嬉しいです。いつも応援本当にありがとうございます。凛視点はいずれ書きたいと思っていましたが想像よりも長くなってしまいそうです（笑） (2023年1月30日 16時) (レス) id: c37b14cb77 (このIDを非表示/違反報告)
真昼 - 初コメ失礼します！凛視点めちゃくちゃ好きです！！最後まで応援します！ (2023年1月30日 9時) (レス) @page2 id: 3174c03de1 (このIDを非表示/違反報告)
するめ(プロフ) - 続編おめでとうございます〜!!凛視点めちゃくちゃ最高です、、、このお話ほんとに大好きです! (2023年1月30日 5時) (レス) id: 85ee5a5c1b (このIDを非表示/違反報告)
名無し(プロフ) - お酢雨さん» ご指摘ありがとうございます。修正いたしました( _ _ ) (2023年1月29日 22時) (レス) id: c37b14cb77 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：名無し | 作成日時：2023年1月29日 20時
