再開と過去の勿忘草 ページ14
え…、誰？
私の名前を呼ばれて振り返ると青い髪の男の子が立っていた。歳は同じくらいかその辺。
私は全く心当たりがないのだけれど、その目はしっかりと私へ向いていて、私は困惑を隠しきれなかった。
「あれ、もしかして忘れちゃってる？」
関西の方の訛りが入った口調、青い髪、女の子顔負けの愛らしい整った顔。
「まさか、ようちゃん……？」
思い出してくれたんや、とこちらへ歩いてくるようちゃんに私は驚きで固まってしまった。
「ようちゃん、男の子だったの……？」
やっぱり勘違いしてたんやね、と困り顔で笑う。
「誰だ」
訝しげに目を細める凛に私は説明する。
「私がまだ小さい頃の話だけど＿＿＿」
暑い日が肌を焼く夏休み
私は家族と京都へ旅行に来ていた。
幼い頃から人見知りだった私は迷子になっても誰かに話しかけることもできずただ街中のベンチに座っていた。
「おかあさんとおとうさん、どこに行ったの…」
泣き出してしまう寸前、私の隣に誰かが腰掛けるのが分かった。
「ねぇ、キミ、今ひまなん？よかったらゲームてつだってくれへん？」
小学生の大半が持っているであろう開くタイプのゲーム機が視界に映る。
私はポカンとした後鞄に入っている自分のものを取り出した。
「ひまではないけれど…何のゲーム？」
私が聞くとその子はこれ、とゲームの画面を見せた。
「それ、むずかしいよね。」
私も苦戦した、とゲームを開く。
「ねぇ、名前なんて言うの…？」
唐突に発された質問に私は困った。お母さんとお父さんから、知らない大人に“こじんじょうほう”を教えてはいけないと言われていたから。
別に大人ではないから大丈夫か、と私は自己紹介をした。
「高瀬A、7歳。かながわけんから、旅行にきたの。……君は？」
Aちゃん、と小さく呟く子に私も聞き返す。
「ひおりよう、おんなじ7歳。この近くに住んでる。よろしくね、Aちゃん」
「うん、よろしく。」
初めて顔を合わせて、私は酷く驚いたのを覚えている。
「ようちゃん、とってもかわいいね」
なんてあいらしい女の子なのだろう
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名無し(プロフ) - 真昼さん» コメントありがとうございます。意外と凛視点が需要あるようで良かったです。これからも応援して頂けると幸いです^^* (2023年1月30日 16時) (
レス) id: c37b14cb77 (このIDを非表示/違反報告)
名無し(プロフ) - するめさん» するめさん、続編の方にもコメント頂けて嬉しいです。いつも応援本当にありがとうございます。凛視点はいずれ書きたいと思っていましたが想像よりも長くなってしまいそうです（笑） (2023年1月30日 16時) (レス) id: c37b14cb77 (このIDを非表示/違反報告)
真昼 - 初コメ失礼します！凛視点めちゃくちゃ好きです！！最後まで応援します！ (2023年1月30日 9時) (レス) @page2 id: 3174c03de1 (このIDを非表示/違反報告)
するめ(プロフ) - 続編おめでとうございます〜!!凛視点めちゃくちゃ最高です、、、このお話ほんとに大好きです! (2023年1月30日 5時) (レス) id: 85ee5a5c1b (このIDを非表示/違反報告)
名無し(プロフ) - お酢雨さん» ご指摘ありがとうございます。修正いたしました( _ _ ) (2023年1月29日 22時) (レス) id: c37b14cb77 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：名無し | 作成日時：2023年1月29日 20時
