Eye-Water3.【Ω】 ページ6
「おねーちゃんおかえり!」
『ただいま、
扉を開けると、跳ね返るくらい元気な声が耳に飛び込んでくる。
「“狩り”お疲れ様!死神に見つかんなかった?」
『うん。途中で危なかったけど、なんとかいけたよ』
「今日は何の肉?」
『若い男。死後数時間しか経ってなさそうだから、新鮮だよ』
「久しぶりだねそんな食事!早く食べよう!僕お腹空いちゃった」
私達“【
彼らの持つ霊圧の威力は絶大で、熟練の【Ω】でも歯が立たない。また、遭遇すれば54%の割合で逃げ切れないらしい。つまり、殺されるということ。文字通り、人の命を掻っ攫う死神のような奴らだ。
「…ごめんね、オレができそこないなばかりに、おねーちゃんばっかに迷惑かけて…」
『それは言わない約束でしょ』
「でも…」
『気にしないでって何度も言ってるでしょ。私はあんたが戦えなくても、家でこうしていてくれるだけでいい。“普通の幸せ”ってやつだよ』
愛は、突然変異で【Ω】になりきれなかった【
『あんたは何も気にしないでいーの。ね?』
だから、私は愛を外へ出すことができない。この薄暗い地下街で、淀んだ天井と言う名の空を見せることしかできなかった。
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作者名:EGOIST | 作成日時:2017年9月24日 13時