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Eye-Water3.【Ω】 ページ6

「おねーちゃんおかえり!」





『ただいま、(ちか)









扉を開けると、跳ね返るくらい元気な声が耳に飛び込んでくる。









「“狩り”お疲れ様!死神に見つかんなかった?」



『うん。途中で危なかったけど、なんとかいけたよ』



「今日は何の肉?」



『若い男。死後数時間しか経ってなさそうだから、新鮮だよ』



「久しぶりだねそんな食事!早く食べよう!僕お腹空いちゃった」









私達“【Ω(オルガ)】”は、人間を喰らう。人間を喰らうことでしか生きられない。だが、人間も種存続をかけて“死神”という霊圧を持つ人間を、私達をこの世界から駆逐する手段として投入してきた。



彼らの持つ霊圧の威力は絶大で、熟練の【Ω】でも歯が立たない。また、遭遇すれば54%の割合で逃げ切れないらしい。つまり、殺されるということ。文字通り、人の命を掻っ攫う死神のような奴らだ。









「…ごめんね、オレができそこないなばかりに、おねーちゃんばっかに迷惑かけて…」



『それは言わない約束でしょ』



「でも…」



『気にしないでって何度も言ってるでしょ。私はあんたが戦えなくても、家でこうしていてくれるだけでいい。“普通の幸せ”ってやつだよ』









愛は、突然変異で【Ω】になりきれなかった【β(ブレイブ)】として生まれた。【β】は【Ω】の全体の0.9%の割合で生まれ、【Ω】が持つ再生能力を持ち合わせておらず、身体能力も【Ω】ほど高くはない。だが、人間を喰らう。そんな【β】は、死神の腕試しをする絶好の対象となった。









『あんたは何も気にしないでいーの。ね?』









だから、私は愛を外へ出すことができない。この薄暗い地下街で、淀んだ天井と言う名の空を見せることしかできなかった。

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設定タグ:BLEACH , 日番谷冬獅郎 , 原作沿い   
作品ジャンル:アニメ
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作者名:EGOIST | 作成日時:2017年9月24日 13時

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