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「っあーーー!!!無理!なんなんだよ、数学とか!!」
「お兄ちゃんほんとうるさい黙って」
「侑李がめちゃくちゃ辛辣」


午前中のハードな練習メニューのせいで、すっかり疲れ果ててしまったメンバーの中で、唯一(?)元気なのは八乙女家の長男、光くん。

ずっと1人で練習をしていたからか、勉強をする集中力はもう残っていないようで…?


「だめだ、弦バス弾いてくる」
「おいこら待て光」
「だめだよ、宏太、ああなったらお兄ちゃん、もう言うこと聞かないもん」

「いや、弦バス弾く元気があるなら勉強しろよあの馬鹿が」
「宏太の罵倒がひどい」




そんな2人の目線の先には、アンサンブルには使わないのにも関わらず、何故か持ってきた弦バスを組み立てる光くん。


弓にしっかり松脂を塗って、準備が完了すれば、心地よい低音が練習室に響き渡ります。


久々の弦バスに火がついたのか、難しいフレーズを弾き連ねる光くんの指さばきに驚く部員達。



「…光くん、そんなに弾けたっけ」
「おまっ…言い方っていうもんがあるだろ!」
「そんだけ弾ければ音大とか行けそうだけどね〜」


「いのちゃん、今なんつった」
「んぇ?音大行けんじゃない?って言った」
「…弦バス弾ければ行けんの?」
「え〜?学校にもよるでしょ、でも技術は必須だよね」


「…俺、音大行くわ」
「えっ!?ひか、マジ!?俺も音大行きてぇ!」
「馬鹿大貴、母さんが言ってたじゃん、クラリネットばっか吹いてるんだから、高校卒業したら働けって」
「うぅ…」


まさかの形で、自分の進路を心に決めた光くん。
あまりにも突然過ぎるからか、勤勉家の宏太くんと慧くんはお口あんぐりです笑


「どーすんだよ伊野尾、光、本気にしたぞ」
「んぇー?何がぁ?」
「…どうせまた確信犯なんだろ」
「どーだかねぇ」
「お前のそういうところ、ほんと嫌いだわ」
「俺は宏太のこと好きだけどね♡」
「やめろ、虫唾が走る」

「むしず…?」
「いいの、お兄ちゃんはそこに反応しなくて!
なら、ちゃんと頑張ってよね、僕のお兄ちゃんなのに、受験に失敗したとか言ったら、本当に許さないんだから!」

「ふははっ、頑張るよ」


侑李くんの頭をくしゃりと撫でる光くんの顔つきは、勉強ができないとは思えない程、立派なお兄さん。

そうとなれば、と、みんなが参考書を広げる横で、弦バスの教本を広げる光くんなのでした。

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れーな(プロフ) - すごく面白いです!更新がんばってくださいっ!裕翔くん可愛いー! (2018年4月2日 22時) (レス) id: a26d82f087 (このIDを非表示/違反報告)
葉月 - 面白いです! 更新頑張ってください! (2017年12月27日 10時) (レス) id: dca81bc790 (このIDを非表示/違反報告)
sarasa - 最初のシリーズから見てました〜 更新頑張ってください!応援してます! (2017年12月17日 8時) (レス) id: ddc3412e30 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:くりおね。&ななみ x他1人 | 作者ホームページ:___  
作成日時:2017年12月6日 20時

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