序2 ページ6
にやりと笑った顔を見た瞬間意識は暗転し、気がつくと倉庫で横になっていた。Aは、きょろきょろと周りを見た。
恐らく自分を襲ったであろう誘拐犯はこの部屋にはいない。周囲には高い場所に一つ小さな窓があり、大人でも身を隠せそうな大きなコンテナが数個置いてあり唯一の出入口には鉄の大きな観音開きのドアがひとつだけついている。おそらく、外から鍵がかかっているのだ。ふと、横を見ると自分と同じくらいの子どもが横になっていた。頭をうったのか、唸りながら目を開けた。
「ねぇ、大丈夫？」
「うぅ…ここは？」
「わからないの。」
でも。逃げなきゃと続けると不安そうな目と目があった。良く見ると左右で髪の色が違う顔の整った男の子だった。思わずAは男の子の手を握り笑った。
「大丈夫だよ！一人じゃないから」
「…うん、そうだね」
「わたし。Aっていうの。えーと…」
小さく言った焦凍という声を拾ったAは笑った。Aは個性を焦凍から聞いた。彼は氷と炎が生み出せるそうだ。
Aは、まず、彼に扉を厚い氷で覆って貰った。少し寒くなるが気にしてられない。あとは、Aの狐の個性で身体能力等々をあげて彼をおんぶし、最近発覚した風の個性も使い、コンテナに飛び乗った。
「Aちゃん、すごい」
「えへへ、すごいでしょ？」
(女の子の方が身体の成長早くてよかった)
あとは、大きな音がするが、窓を氷で割ってもらって窓から、脱出した。焦凍を先に外にやったときドアの方から慌てる声が聞こえたが、親の目の前で誘拐したんだ、直にプロヒーローたちが来るはず、Aは気にせずに外に出た。
「ありがとう、Aちゃ「いたぞ！」え？」
「焦凍くん、こっち！」
Aはそのまま、焦凍を背負い地面に降り、走り始めた。何個目がの倉庫を通り過ぎた頃茜は不安にかられていた。いくら、ここが、倉庫が並ぶ港だとしても、こんなに倉庫があるのだろうか。
「あ、あれ？」
「やぁ、おかえり。ふたりとも」
「え？」
続→
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作者名：唯星 | 作成日時：2017年12月20日 21時
