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「あ、狐葉さんですよね！」
「は。はい」
「応援してます！頑張って下さい！！」
見ず知らずの人に手を握られ、応援されたかとおもうとその人は雨の中走ってどこかへ行ってしまった。ポカンとしたAに声をかけたのは焦凍だった。
「おい、大丈夫か？」
「はっ！？うん、なんか知らない人に応援された？」
「は？応援？」
焦凍は驚いた顔をして行き場をなくしていたAの右手をタオルで拭いた。されるがままになっていたAは再度焦凍に声をかけられて歩き始めた。
「気を付けろよ」
「うん。ごめんね、ありがとう」
「女なんだから」
ふとした言葉にドキッと胸が高鳴るAは持っていた傘で焦凍から顔が見えないように傾けた。
「おはよー、ふたりとも！」
「おはよ、お前たちもなんか言われなかった？」
「なんか、応援されたよ」
まじか、おれはドンマイコールだったぞ。と、瀬呂が笑って言ったあとに続いて上鳴がスクラップブックを差し出した。
「これ、クラスの思い出見てみろよ」
「わっ、みたい、みたい！」
「…すごいな」
そこには、入学の時から全員の隠し撮りのような写真から体育祭で応援のチアの写真、打ち上げの写真等張られていた。
「隠し撮りしてたの？」
「いや、ちがうよ、普通に声かけたって」
「えぇ？」
すっと向けられたカメラに思わず近くにいた焦凍に寄ってピースしてしまったAに上鳴と瀬呂だけでなくまわりの皆まで笑っていた。
「Aちゃん、何かあったの？ふっきれた顔してるわ」
「え？あ、そう、かな？心配事がなくなったかも」
「よかったですわね。Aちゃん」
優しい雰囲気になっていたクラスだったがすっとドアが開く気配を感じとり全員が前を向いて姿勢を正した。
「おはよう、今日のヒーロー情報学はちょっと、特別だぞ」
「え、」
「『コードネーム』ヒーロー名の考案だ」
クラスのほとんどの人がガッツポーズをしたあと相澤の睨みで全員が席につき直した。
「というのも先日話したプロからのドラフト指名に関係してくる。指名が本格化するまえに興味として、１年生は指名される」
「頂いた指名がそんまま自身のハードルになるんですね」
「そ、で、その指名の集計結果が、こうだ」
相澤が、黒板に書く指名は、上から轟、爆豪、狐葉、常闇、飯田、上鳴、八百万、切島、麗日、瀬呂にそれぞれ指名が来ていた。
「これを踏まえていわゆる、職場体験ってのにいってもらう」
続→
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作者名：唯星 | 作成日時：2017年12月20日 21時
