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あれから、焦凍と食堂まで行き、拒架を見つけた後は、逆に空気を読んでくれた拒架と笑いあいながらレクリエーションが終わる時間まで共に過ごした。
「もうすぐ、最終種目かぁ」
「Aとは、上手くいけば二回戦で、当たるな」
「まけないよ、拒架」
レクリエーションが、終わりトーナメント方式の一対一ガチバトルが始まろうとしていた。
Aは二回戦、上鳴との対戦だった。クラスメイトである程度の事は知っているがそれは向こうも同じである。
「よろしく。狐葉」
「あ、うん。こちらこそ。でも」
「start！！」
始まりの声が聞こえた。Aは向かってくる気配のない上鳴に向かって歩き、ふわりと風を纏った。
これは、彼女の癖で、何か警戒するときは風を纏っている。
「ごめんね、勝つことしか頭にないの。」
「え」
「おぉ！？場外だぁー！！何があったんだ！？」
瞬きの間に暖かい風と共に上鳴はぽかんと場外に立っていた。ふふんっと笑ったAは、自信に満ちていた。がやがやと騒ぐ声を無視するように控え室へと戻っていった。
「俺、何がなんだか…」
「すげーな、アイツ」
「これと、これと…」
始まる前に置いた荷物を持って控え室から出た。駆け足でA組のいる席へと向かった。観客席へたどり着く前に廊下で外を見ている人がいた。大きな人で退く気配のない人にAは声をかけることにした。
「…す、みません」
「君は…護さんの」
「？？父を知ってるんですか？」
その人はよく見ると大きく見えていたのは身体からでる炎のようで顔は、Aのよく知る人物に似ていた。
「知ってるも何も、いや、なんでもない」
「？？エンデヴァーさん」
「焦凍はどうだ？」
Aは迷った。彼はどんなことを聞きたいのか。A的にはお茶子たちの試合を見たいと思っていた。しかし、あまりにも視線をくれるので困り果てていた。
「何を聞きたいんですか？」
「クラスでは」
「普通です。皆とも話しますし」
ぐぬぬというような声が聞こえたような気もしたが気にしないようにエンデヴァーに視線を向けた。
「君は楓架さんとそっくりだな」
「楓架？私の母は風架ですけど」
「君こそ何を言ってるんだ？」
お互いに？を浮かべては視線が合った。係りの人から準備するように呼ばれたAはずり落ちかけた荷物を持ち直した。そして、エンデヴァーに一礼すると未だにこちらを見るエンデヴァーに背を向けばたばたと立ち去った。
続→
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作者名：唯星 | 作成日時：2017年12月20日 21時
