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「わわっ」
「狐葉、こっちだ」
「え、あ、うん」
お昼時でたくさんの生徒がいた場所から全員が１つの非常口を目指して走っていた。はじめは避けていたその波にのまれそうになったAを焦凍が引き寄せそのまま壁と焦凍の間に入った。
「やっぱりおかしい…」
「突破されるのが？」
「いや、お昼時で生徒はここが１番多いはずなのに先生達が誘導に来ない。」
確かに戦闘向きではない先生達が生徒の誘導に来ても良いはずだとAは焦凍の向こう側を、生徒達が慌てて逃げ出す波をきょろきょろと見渡した。たしかに。どこにも先生の姿はなくいるのは慌てて逃げ出す生徒達だった。
「ねぇ、あれ、もしかして侵入者って」
「あれは…マスコミか？」
「マスコミが、セキュリティ突破してきたの？」
おかしい。そんな考えになったところで見知ったクラスメイトの声が食堂と食堂の先の廊下に響いた。マスコミがセキュリティを突破したと、慌てることはないと大きな声で分かりやすく。その声により、生徒たちは落ち着きを取り戻し始めていた。
「飯田くんだ」
「あいつは、すごいな」
「そう、だね。あ、轟くん、助けてくれてありがとう」
今の内にとAは焦凍の顔を見てお礼を言い笑った。聞こえなかったのか、焦凍はAを見続けており、それに言い直そうかと思ったAは今の状況がいわゆる壁ドンに近い構図であることに気がつくと頬をうっすらと赤くした。
「あの、轟くん、」
「焦凍でいい」
「へ？」
焦凍は、そのままAから離れると食べ終わった蕎麦とうどんのトレイを持ち片付けるために棚がある場所へと歩いていった。
「ま。まって！」
「さっきの事は、気にするなA」
「え？あ、うん」
マスコミの、セキュリティ突破事件は無事に収束しその後の委員会決めで民主主義投票で学級委員長になった緑谷出久がセキュリティ突破事件をきれいに納めた飯田くんこそ学級委員長に相応しいのではと提案した事がきっかけで委員長は飯田に変更していた。
先生は、時間内に決まればどうでも良いらしい。
Aはなぜが気まずい焦凍をチラ見してはぶんぶんと顔を振っていた。気がつくと一部の人から視線をもらっていた。
「へ？なに？」
「いや、Aちゃん。なんか変なことしてるから」
「へ、へん？」
１・照れてる二人
(どうしよう、顔赤いのかなぁ)
(どうしたのかな？Aちゃん)
(さてはアイツ轟焦凍と何かあったな)
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作者名：唯星 | 作成日時：2017年12月20日 21時
