第7話〜急な変貌〜 ページ10
入学して2ヶ月
入部して1ヶ月
生徒会と女子テニス部に入り、
中学生としてマネージャーとして忙しい日々を送っている…のだが、
「聖美!!
「断る!」
まだ何も言っとらん!」
聖美は白石に追いかけられていた。
廊下にいた生徒たちはまたかと言うように笑っていて、普段は何かと助けてくれる者たちを聖美は恨めしく思った…
「(っというか、何でこうなった…!?)」
…何故こうなったのか、
時を遡ること3週間ほど前の放課後。
〜回想〜
「んーっ
(やっと終わったー…!
…って、もう17時近い!
夕香姉さん帰って来る前に
夕飯の支度しないと!)」
日直であった聖美は日誌を書いて
いそいそと帰る準備をしていた。
その時、ちょうどガラッと教室の扉が開き
聖美はバッと反射的に扉の方を向く。
…そこにはどこか決心したような顔つきをした白石がおり聖美は先生ではないことに安堵しながらも?を浮かべた。
「白石?
まだ帰ってなかったのか…
(ガシッ!!)
ん…!?」
するといきなり白石が駆け寄って来て
聖美の手を握った。
いきなりの事に驚き固まるも…
「俺、豪炎寺さんのことが好きや!
せやから付きおうてくれへん!?」
彼の口から発せられた言葉に
聖美はさらに驚き、唖然と口を開け
変な声が出た。
「んんっ…!?」
〜回想終了〜
「っ…あの告白は断ったはずだが!?」
「せやけど俺は諦めへんって言うたで!
聖美ー!」
「貴様はストーカーか!?」
「ちゃう!
俺は聖美のことが好きなだけや!
聖美ー!」
「ゔ…!いい加減にしてくれ…!
(こんな恥ずかしいことを堂々と…!!)」
この3週間でいつの間にか
“豪炎寺さん”から“聖美”へと名前呼びに変わっており、聖美は気色悪さを覚えながら白石から逃げていた。
「(こういう時に限って時雨はいないし、
こいつ…全て計算を…!?
いやいや、それはない、よな…!)」
一度しっかり話をした方がいいのだろうが、
後ろから追いかけて来る白石の顔を見て
今は逃げなくてはと危機感を奔らせていた…。
13人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ