第2話〜出会いの季節〜 ページ5
謙也にクラスを見てもらう中、
聖美は遠目からでもと掲示板を見つめた。
「…(やっぱり見えないか…
んー、視力また落ちたかな…)」
やはりというか当たり前と言うべきか
遠目からでは掲示板にびっしりと書かれた名前の中から自分の名前を見つけることは困難であり、聖美は謙也を待とうと目を閉じた。
その時、ドンッと
人混みから抜けたであろう生徒とぶつかり
爪先立ちをしていた聖美はバランスを崩した。
「っ！？」
「あ！危ない…！」
倒れそうになって聖美は咄嗟に目を瞑るも
その瞬間にふわりと誰かの腕が
彼女の腹辺りに回り、支えられた。
「え…？」
「す、すまん！大丈夫やったか！？」
その事に驚き、バッと自分を支えた人を見る。
その人は恐らく1年生…
つまり同級生であろう男子であり、
白に近い聖美とはまた違うミルクティ色の髪に
黒い瞳が特徴的な端正な顔立ちに
聖美はその少年に見惚れてしまった…
それと同時にその少年も
聖美に見惚れていた。
クリーム色の勿体なく感じる程、短い髪に
透き通るような黄色の綺麗な瞳。
中性的とも言える綺麗な顔立ち。
2人は支えている、
または支えられている人を見つめ合うも、
それは聖美が我に返ったことにより終わり
聖美は勢いよく離れた。
「ご、ごめんなさい…」
「え、あ、いや、
こ、こちらこそ…すんません…」
一定の距離でぎこちなく会話するも
段々とその様子が可笑しくなり
2人は同時にプッと吹き出した。
「ふっふふ…！あははっ！
なんか、可笑しな構造だね…！」
「ふっくくっ！
せやな！なんか可笑しくなってもうたわ！
俺、白石蔵ノ介。
今日から1年生や、君は？」
「豪炎寺聖美、同じく1年生だよ。
小学3年まで東京にいたから訛ってないけど
まぁ、よろしく」
「へぇ、東京もんなんか！
なんや新鮮やな！」
「ふふっ、そうだろうね。
「聖美ー！同じクラスやったでー！」
あ、謙也。
すまない白石。
待ち人が来たからもう行くね」
「おん、同じクラスになれるとええな」
「あぁ、それじゃあ」
「ほな、またな」
そう言って別れた2人が
また同じ空間で再開するまで後少し…
(「あれ？白石！」)
(「ん？…あ！豪炎寺さん！
同じクラスやったんやな！」)
(「？知り合いか？」)
(「さっき会ったばかりだよ」)
((仲良くなるの早っ！))
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