第15話〜勇気〜 ページ18
自分の気持ちを話すのはとても勇気がいる
「く、蔵ノ介…」
「んー?どないしたん?」
何やら言いにくそうに口を動かしている聖美に
白石は?を浮かべて歩みを止めて彼女の顔を覗き見る。
「あっ…
…………」
その顔はどこか悲しげで、
白石は驚いて“ど、どないしたん!?”と
アワアワとしながら聖美の頬に手を当てる。
「!……左…」
「え、左…?
左が…どうかしたんか…?」
「あ、たたかい…ね…」
「!!!!
き、聖美…!ど、どど、どないしてん…!?
なんやおかしいで…!?
ね、熱!?熱があるんとちゃうか…!?」
いつもと違う聖美に白石は更に慌てて
利き手である左手を額に持っていこうとするも
それは聖美の左手によって止められた…
「!?…き、聖美…?」
それによって白石は一旦冷静になるも、
そうなった所以で聖美の左手に違和感を感じた。
「!聖美!左手どないしてん…!?
い、今、春と夏の間やんな!?
なのに…なんでそない冷たいんや…!?」
一瞬、低体温かと思ったが、
それにしては体温がなさすぎる…
それはもう死体と呼んでいい程に、だ。
聖美は白石の問いに何も答えず、
代わりにと言うように左腕を覆う制服のカーディガンの袖を捲った…
「!!!」
白石の息を呑む音が聞こえる…、
聖美は目の前にある自分の左腕…とは言い難い
包帯が巻かれた“偽物の腕”を悲しげに見つめる。
「き、聖美…それ……」
避けられるかもしれない…
嫌われるかもしれない…
別れを切り出されるかもしれない…
「悪いね…なんか…変なの見せちゃって…。
でも、言っといた方がいいって思ってさ」
だが、自分の行動を後悔する気はない。
聖美は真剣な目つきで
戸惑いを隠せない表情をしている白石を見つめた。
「……少しばかり長い話になる。」
「____っ」
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