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第11話〜返事〜 ページ14

2日目


「聖美ー!好きやでー!」


「はいはい、ありがとう」


3日目


「聖美ー!愛しとるで!」


「愛を語るのが早いよ」


4日目


「聖美ー!付き合うて!」


「あー、考えとく」


5日目、6日目…
もうすぐで約束の1週間。

全くと言っていいほど靡かない聖美に
流石の白石も焦りが出始め、
その表情もぎこちなくなって行った…

そして最終日である7日目。
いつもの如く追いかけてくる白石に
聖美はいつも通り接してその様子を見ていた…


「き、聖美ー!」


見ていた…のだが、
放課後、完全に余裕のなくなっている白石に
ついに聖美は耐えきれず吹き出してしまった。


「き、聖美…?
どど…どないしたん?」


「ふふっ…ごめんよ。
君があまりにも必死だからっ…」


「!?
ひ、必死になるんは当たり前やろ…!?
俺は…


「私が好き、でしょ?」


せや!」


“だから必死になる”
そう言う白石の気持ちは本物であり、
聖美は口角を上げて彼に向かって手を差し伸べた。


「ん」


「え…?」


「ホントはね、
もうちょっと楽しみたかったんだけど…
期限は今日だから潔く負けを認める。」



「聖美…?
な、何言うて…」


「あれ?聞こえなかった?
私はとっくに蔵ノ介に惚れてるって言ったの」


“私、こう見えて不器用だから
ついゲーム感覚で条件出しちゃった、
ごめんね?”

聖美の言葉に白石は暫くポカーンとするも、
その意味を知った途端、その手を引いて
ギューッと力強く抱きしめた。


「聖美…!聖美…!」


「ん…蔵ノ介、」


「っ…好きや…!
…改めて、俺と付き合うてください…!」


「…こちらこそ、よろしくお願いします。」


もぞもぞと腕の中で顔を上げる…
白石の顔は今にも泣きそうで、
聖美は“男前が台無し”とくすくす笑うも、
それは白石の手によって遮られた。


「聖美は不器用っちゅーよりただのドSやな」


「そうか?」


「そうや。
せやから明日から1週間、俺とデートしぃ!」


「……せやからの使い所おかしいような…


「気にしたら負けや!」


あ、そう…、
まあ、いいよ。
好きな所に連れて行けばいいさ」


ノリで押し切られ、
聖美は白石の要望に呆れながらも笑って答える。

晴れて付き合うこととなった2人の顔は
とても晴れやかで嬉しそうだったとか…

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作者名:スート | 作者ホームページ:なし  
作成日時:2018年10月24日 9時

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