第9話〜条件〜 ページ12
「あ、聖美ーー！！
グハァ！！」
「ウザい」
白石からの熱烈な告白から1日。
相変わらず、白石のアタックが続いていて
今日も聖美の右ストレートが決まった。
(「聖美からの愛ある拳や…！！」)
(「気持ち悪っ…！！」)
“ああ、またやっとる…”
(お笑い好きの)周りの人達は2人を笑いながら見守っていた…のだが…
「聖美ー！好きやでー！」
「あー、はいはい。
わかったからいい加減離れろ“蔵ノ介”」
昨日まで、あれだけ嫌がっていた聖美が
(頬を腫らした)白石に抱きつかれても動揺せず、挙げ句の果てには名前呼びをしている…
目の前で起きている光景に
全員が驚き固まった。
「「「(なっ…何があったんや…！！)」」」
「…ハァ…」
「聖美の溜息…！！」
「・・・・・
(こいつ…性格変わりすぎだろっ…！！)」
ーーーーーーーーーーーーー
〜回想〜
「よしっ、じゃあこうしよう。
期限は、1ヶ月。」
「？」
「気は乗らんが、
1ヶ月以内に私を落としてみろ。」
「！…つまり、1ヶ月以内に
聖美を俺に惚れさせるっちゅーことか…？」
「そういうことだ。」
昨日、聖美の口から出た提案に
白石は動揺し息を呑む。
だがその提案は白石の心を揺さぶり更に熱くさせた。
「…おもろいやないか…
その提案、乗ったる！」
「ふっ、そうか。
「せやけど、
こっちからも条件何個か出させてもらうで」
……なんだ」
「まず、俺んこと名前で呼んでほしいねん。」
「……蔵ノ介…だったな」
「っっ！！(感動)」
「・・・・・っ！？(ドン引き」
「ハッ！！)
ん"ん"！ほんでもう1つ。
もう1つは期限を1週間にして欲しいねん」
「！ほう…？面白い提案だな。
だがその条件は自ら首を絞めるものだが…？」
「せやな。
せやけど、こんなこともせんと
大会が始まってしまうやんか。」
「…つまり、
恋愛と大会は別々に行いたい、と？」
「おん。せやから1週間。
どや？」
「……(公私混同はしないタイプか…)
フハッ、面白い…その提案に乗ろう。」
〜回想終了〜
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