第4羽 ページ6
それから僕は暇があれば河原に行った。
お互いいつ用事ができるかわからなかったので、ジョンとは特に約束はしていなかった。
だから、行っても会えないことが多い。
会えなかった日は家に帰って、勉強をした。
僕もジョンに負けない、何かが欲しかったから。
一週間ぶりにジョンに会った。
会っても、特に何も話さない。
ジョンはひたすら絵を描き、僕はそれをじっと見る。
つまらない、なんてことはなかった。
真っ白な紙に、今にも動きそうな水鳥や、目の前の風景が描かれていくのは、見ていてとてもワクワクした。
ジョンは基本的に人の絵を描かない。
でも、一人だけジョンが描く人がいる。
それは彼のオモニ、母親だそうだ。
彼の絵の中の母はいつも微笑んでいる。
僕はその絵が何よりも好きだった。
そんなある日、一通の通知が僕の家に届いた。
『死 亡告知書』
それは、中国の戦線へ出ていた満兄さんの戦 死を知らせるものだった。
母さんは悲しみのあまり、寝込んでしまい、アキ姉さんが女学校に通いながら、家のこともやってくれた。
鈴子も心配して何度も僕の家に足を運んでくれた。
それから僕はそれまで以上に勉学に励んだ。
軍隊に入り、兄さんの仇を取ると決めたからだ。
そのためには難しい試験に通らなければならない。
こうして僕は飛行機乗りへの道を歩みはじめた。
この道は特攻へと続いているなど、この時の僕は思ってもみなかった。
続く (更新停止中)
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桜花 - 永遠の０などが好きで、特攻隊などに興味があります。更新頑張って下さい！ (2015年12月19日 17時) (
レス) id: 26ada15b3d (このIDを非表示/違反報告)
黒兎(プロフ) - セルぱんさん» ありがとうございます！頑張ります(￣^￣)ゞ (2015年9月4日 19時) (レス) id: 87a7d21dee (このIDを非表示/違反報告)
セルぱん(プロフ) - 更新、楽しみにしています。とても良いと思いました。応援しています。 (2015年8月25日 23時) (レス) id: 9252549f2e (このIDを非表示/違反報告)
黒兎(プロフ) - 紫姫春さん» その曲知ってます！いい曲ですよね〜。実はこの小説の題名もこの曲を参考にしてます (2015年6月25日 19時) (レス) id: 87a7d21dee (このIDを非表示/違反報告)
紫姫春 - ボカロの鋼鉄ノ鳥聴いて見てください (2015年6月20日 12時) (レス) id: ee13f6daae (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：黒兎 | 作成日時：2014年3月10日 18時
