序章 ページ1
『ぼくは、大きくなったらとりになりたいです。
つばさでじゆうにそらをとびまわって、いろんなものを見たいです。』
そう作文に書いた少年は10年後、本当に鋼の翼で大空へと羽ばたいていった。
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眼下に広がるのは真っ青な海。
そして周りには朝焼けの空と共に散る仲間たち。
もうあと10分もすれば、僕の命は終わりを迎える。
17年。
長いようで短かった。
しかしもはやこの
いや、ひとつあった。
僕らが今からしかけるこの攻撃は、この戦争にどんな影響を与えるのか。
日本は勝てるのか…
その後日本は、愛するあの人達はどうなっていくのか…
機内に失笑が漏れる。
意外と心残りがあったものだ。
しかし、僕はもう死に逝く身。
この後の事を憂いてもしょうがない。
そう思い直し、ただ前方を見据える。
遠くに黒い粒の集団が見える。
いよいよだ。
隊長が腕をあげる。
そして降ろした。
突撃の合図だ。
各機が上下左右、バラバラに散らばる。
あらゆる方向から、が特攻の鉄則だ。
僕も一気に急上昇する。
艦隊が対空砲火をしてくる。
目の端にうちぬかれくるくると回転しながら海に墜ちていく仲間が映った。
くそっ、よくも…
僕も一艦の巡洋艦に狙いを定め、降下を始める。
機体がガタガタと鳴り出す。
機首が上がりそうになるのを、操縦桿を必死に押さえ込む。
大きなGがかかって気が遠くなりそうだ。
手早く電報を打つ
あぁ、そういえば通信士が言っていた。
この電報を聞くのはつらいと。
これが途切れるのは搭乗員の命が途切れた時だからと。
僕は思う。
通信士が僕の最後に一緒に立ち会ってくれている。
僕は一人なんかじゃない、と。
もう獲物は目の前。
最後の瞬間、僕の脳裏に浮かんだのは…
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桜花 - 永遠の０などが好きで、特攻隊などに興味があります。更新頑張って下さい！ (2015年12月19日 17時) (
レス) id: 26ada15b3d (このIDを非表示/違反報告)
黒兎(プロフ) - セルぱんさん» ありがとうございます！頑張ります(￣^￣)ゞ (2015年9月4日 19時) (レス) id: 87a7d21dee (このIDを非表示/違反報告)
セルぱん(プロフ) - 更新、楽しみにしています。とても良いと思いました。応援しています。 (2015年8月25日 23時) (レス) id: 9252549f2e (このIDを非表示/違反報告)
黒兎(プロフ) - 紫姫春さん» その曲知ってます！いい曲ですよね〜。実はこの小説の題名もこの曲を参考にしてます (2015年6月25日 19時) (レス) id: 87a7d21dee (このIDを非表示/違反報告)
紫姫春 - ボカロの鋼鉄ノ鳥聴いて見てください (2015年6月20日 12時) (レス) id: ee13f6daae (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：黒兎 | 作成日時：2014年3月10日 18時
