屋敷 ページ3
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月彦さんに案内されてついて行くと、立派な屋敷が見えた。
まるでイギリス庭園が今にもありそうな。
「さ、お上がり下さい。」
「し、失礼します…」
私は恐る恐る入ると、まるで自分がお姫様にでもなったような高い天井と、キラキラの大理石が私を照らす。
「あら、月彦さんおかえりなさい。」
「ただいま、麗さん。」
(麗さん?)
私は目を見やると、そこには美しい、気品溢れる女性が女神のような優しい微笑みでこちらを迎えてくれた。
いつも遅刻に追われて落ち着かない性格の私とは、まるで正反対の女性。
「月彦さん、そちらは?」
「あっ、初めまして!AAと言います!」
「初めまして、妻の麗です。」
そりゃこれだけ顔の整っててお金持ってそうな人が結婚してないわけないか。
と、少し残念がる。
「さっき湖で溺れている所を助けてね。」
「まぁ、それは大変。良かったらお風呂貸しますから入って?」
麗さんが優しくそう言うと私を浴室まで案内してくれた。
家が家なだけあって浴室もかなり立派である。
「お着替えここに置いとくから。」
「えっ、でも……」
「今夜は泊まって?その服も乾かさなきゃいけないし、もう外は暗いわ。」
私はびしょ濡れの制服を見る。
すると麗さんは今更ながらも少し遠慮気味に私に言った。
「その服珍しいけど……流行りか何か?」
麗さんは、特に私の短いスカートをみて少し頬を赤くする。
「あぁ、これ学校の制服です!麗さんだって制服は着たことあるでしょ?」
私は池に溺れてから目覚めるまでの記憶がないのだが、それからというものの街の違和感であったり、人の違和感、これらに気づき始めていた。
「えぇ……でも、制服というか…そこまで脚を見せた女学生は、少なくともこの辺では見たことないわ。どこから来たの?」
「え、えっと……い、田舎です!!東京のずっと奥の!!」
苦し紛れに嘘をついたが、それでも麗さんのこの訝しげな反応は、確信へと近づいていた。
(私……もしかしてタイムスリップかなんか、した…?)
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muitirou?(プロフ) - 続きが気になりますー!更新頑張ってくださいー! (2020年2月8日 22時) (レス) id: 2ddfbc574e (このIDを非表示/違反報告)
虚像(プロフ) - ,さん» 失礼致しました。気づかなかったのでご報告ありがとうございます。こちら外させて頂きましたので、以後注意致します。 (2020年2月5日 2時) (レス) id: 895475e142 (このIDを非表示/違反報告)
, - オリジナルフラグ外して下さい。違反ですよ (2020年2月4日 23時) (レス) id: 4978b655b0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:虚像 | 作成日時:2020年2月4日 2時