ようこそ、異世界。 ページ2
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「…………。………か。」
「んぅ………」
誰かの声がする。
でも、聞きなれない声。
なんだか寒いようにも感じる。
私はゆっくりと瞼を上に持ち上げると、最初は視界がボヤけたものの、何回か瞬きをするとそこには1人の男性がいた。
「大丈夫ですか。」
ようやく意識が回復していくと、私は上体を一気に起こした。
(何このイケメン……!!)
だが、そのイケメンから目を離して周りを見てみると、そこにはまたしても見慣れぬ風景が広がる。
「あ、あの、助けてくれてありがとうございます!!ここはどこでしょうか?」
「見ればわかるだろう。東京府浅草区だ。」
「トウキョウフ………アサク……」
東京“府”?
浅草“区”??
「はっくちゅ!!」
盛大なくしゃみをすると、その男性は心優しくも自分の羽織っていた外套を私の身体にそっとかけた。
見れば私は全身ずぶ濡れだった。
「そうだわ……そうよ。私、りんご拾ったら神社にきて、それで神社の池に落っこちて……ねぇ、私を池から救い出してくれたんでしょ!?」
「いや、突然人の騒ぎがして来てみたら、全身水浸しの君がこの大通りで倒れていたんだよ。」
なんだ。
何かが違う。
これは、
ここは一体………
「とりあえず私の屋敷まで案内しましょう。立てますか?」
「え、えぇ………」
私はイケメンの身体に支えられながらよろよろとたった。
脚は坂を登ったり下ったりしたおかげで筋肉痛を超えて生まれたての子鹿のようだった。
「私に重心をかけて良いですから。屋敷はすぐそこなので。」
男の人はそう言って、立てない私の肩を優しく寄せた。
(心もイケメンじゃんッ!!!!!!!!!!!)
「あの、所でお名前お聞きしても……」
私がそう言うと、男の人はしばらく考え込んで私の顔をみた。
帽子のつばでよく見えなかったが、その一瞬だけ紅い瞳が私の瞳孔を突き抜けた。
「…月彦と呼んでもらえればいいですよ。」
「月彦…さん。月彦さんですね!私はAA、名前は適当に呼んでください。」
「では、Aさん。よろしくお願いします。」
男の名は月彦と言った。
彼は優しい笑顔で私の体を支え、屋敷まで案内してくれるという。
だが、行き交う街の人々はまるで、“教科書”に出てきそうな人達ばかりだった。
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muitirou?(プロフ) - 続きが気になりますー!更新頑張ってくださいー! (2020年2月8日 22時) (レス) id: 2ddfbc574e (このIDを非表示/違反報告)
虚像(プロフ) - ,さん» 失礼致しました。気づかなかったのでご報告ありがとうございます。こちら外させて頂きましたので、以後注意致します。 (2020年2月5日 2時) (レス) id: 895475e142 (このIDを非表示/違反報告)
, - オリジナルフラグ外して下さい。違反ですよ (2020年2月4日 23時) (レス) id: 4978b655b0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:虚像 | 作成日時:2020年2月4日 2時