はじまりの話 ページ1
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「きゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあ遅刻だよ遅刻遅刻ぅぅ!!!!!!!!!!!」
まるで少女マンガの出だしのような始まりで出て来たのは、AA17歳。
元気だけが取り柄のピチピチの女子高生。
短いグレーのスカートに、白いシャツ。
深緑色のネクタイを緩めて第二ボタンまで開けるのは常識。
もちろん、遅刻も。
「やぁぁぁぁああなんでママったら起こしてくれないのよ!!いくら私が遅刻常習犯だからって、あんなギリギリに起こされちゃ間に合わないわよ!!」
自分が起きれないのが1番悪いというのに他人のせいにしてしまう。
私はラストスパートの大きな坂を駆け上がっていると、前にこちらの方へ歩いてくる老婆がいた。
それをよそにひたすら駆け上っていると、走った振動で袖まくりが緩まった時だった。
「あらあらあらあら」
老婆が腕に抱えていたりんごが坂の上をコロコロと回転していくつものりんごが坂を下ってゆく。
「うわわわわわわ!!」
私は中学時代で鍛え抜いた陸上の反射神経を使ってりんごを手に取ってゆくが、最後の1個が取れずに下の方までどんどん転がってゆく。
「あっ、こら!!まちなさぁぁぁぁい!!」
私は遅刻という目的から大いに外れて1個のりんごを求めて坂を下る。
老婆は後ろでヨボヨボと歩いて私を追おうとしていたが当然間に合うはずもなかった。
りんごは徐々に加速し、私の脚力が限界に達した所で坂の下に突き当たってりんごは減速した。
私は肺からたくさんの息を出してりんごを手に取る。
「やっと取れた………ん?」
坂の下は普段交差点になっているのだが、私が目を上に見遣ると、そこには大きな赤い鳥居がそびえ立っていた。
りんごは、鳥居のちょうど真下にあった。
「なんだろう……」
普段交差点の所に何故こんなにも巨大な鳥居が現れるのか。
常人ならその禍々しい気に尻もちをつくが、私はどこか神秘性を見出し、まるで鳥居に吸い込まれるかのように中へと足をすすめた。
そこには、歴史を感じるような神社と、右に大きな御神木。
そして御神木の足元には鯉が優雅に泳ぐ池があった。
私は珍しそうに池を覗いて鯉を見る。
「うわぁ〜キレイ…」
すると、突然後ろから重力がかかり、私はたくさんのりんごを抱えながら身体を前に傾けた。
「……え?」
次の瞬間、私は身体を強く打ち付けながら池の中へと沈んでいった。
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muitirou?(プロフ) - 続きが気になりますー!更新頑張ってくださいー! (2020年2月8日 22時) (レス) id: 2ddfbc574e (このIDを非表示/違反報告)
虚像(プロフ) - ,さん» 失礼致しました。気づかなかったのでご報告ありがとうございます。こちら外させて頂きましたので、以後注意致します。 (2020年2月5日 2時) (レス) id: 895475e142 (このIDを非表示/違反報告)
, - オリジナルフラグ外して下さい。違反ですよ (2020年2月4日 23時) (レス) id: 4978b655b0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:虚像 | 作成日時:2020年2月4日 2時