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128. カンパリオレンジ ページ8

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「ねえ、スクリュードライバーって
名前のカクテル飲んでみたい。
これ作って?」





メニューの下の方に書いてあった

カクテルの名前を上げると




「それは、Aちゃんには出せないなぁ…」





優しくダメ出しされて

心なしか孝にぃちゃんの目の奥が笑った。




「スクリュードライバーの別名は
レディーキラーって言うんだよ」



「……レディーキラー?」



「アルコール度数が高いにもかかわらず
その口当たりのよさからいつの間にか
酔いがまわってしまう有名なお酒で
男が女を落としたい時に飲ませるカクテルなんだ」





そんなうんちくを語ってくれたけど

ふーん、なんて軽く聞き流してる私。




「だから、こんなお酒をAちゃんに飲ませたら、夜会の王子が怒るだろう?
王子の許しが出た時にでも作ってあげるよ」




「じゃあ、違うのでいいから
何か作って?」



「うーん、そうだなぁ…
じゃあ、カンパリオレンジ作ってやるよ」





目の前に置かれたカクテルは

綺麗なオレンジ色で

口に含むと、甘酸っぱい味がした。




「ねぇ、この意味は?」



「うーん…秘密 笑」



「えー、教えてよ」



「ヒントはAちゃんが
俺のその相手だったってこと」



「……んー、年下の可愛い女の子?」



「まぁ、半分は当たってるかな。
たぶん、夜会の王子に対してAちゃんが
今、感じてる気持ちだよ」



「……オレ様で、ドSで、意地悪で…って、
孝にぃちゃん、こんなふうに私のこと
思ってたの?」



「アハハ、そんなことは思ってなかったよ」



「じゃあ、本当の意味は?」



「今度までに調べておきな
俺からAちゃんへの宿題ね?」




そんな孝にぃちゃんのセリフも

私は、右から左に消えていってしまっていた。



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作品ジャンル:恋愛
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作者名:ミイ | 作成日時:2016年3月13日 0時

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