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126. 心の内側 ページ6

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「あー、Aちゃんをこんなスキだらけに
しちゃって…あの夜会の王子は
何してるんだよ」






孝にぃちゃんの口調はとても穏やかだけど

櫻井くんから

夜会の王子に呼び名を変えた辺り

さりげなくイヤミに聞こえて笑える。





だけど、孝にぃちゃんの表情からは

ほんの少し社長を非難して

責めてるような色が見てとれたから






「私、別に社長と付き合ってるわけじゃないし…」



「え?」



「この間、私が社長の彼女のフリをしたのは
社長にちょっと助けてもらったお礼というか…
私が好きで、社長の女よけの役を演じただけなの…」





なんて、つい社長は悪くないんだと

フォローに回ってしまう。





本当は身勝手でオレ様な社長の悪口でも

いっぱい聞いてもらおうって思ってたのに

なにを自分で言ってるんだか…





ホント、バカな私。





「付き合ってないの?」





思いのほか驚いたような顔をする

孝にぃちゃんに

私は当たり前みたいに大きく頷いて

グラスの中のスパークリングワインを

飲み干した。





「だいたい私みたいにつまらない女が
社長の彼女になんてなれるわけないでしょ?
だって、黙ってたって、社長には綺麗な女性が
わんさか寄って来るんだよ?」





孝にぃちゃんも知ってるでしょ?



と、私は気合いを入れて

なんでもないフリして平然と言ってみせる





…孝にぃちゃん。

私が、社長を好きなんて知らないでしょ?

でも、好きになると

結構、なんでもないことでも

キズついたりするんだよ。





痛すぎて触れられない、私の心の内側の話。



幼なじみの孝にぃちゃんにさえ

やっぱりちょっと…

まだ、話せない私の心の内側の声。



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作品ジャンル:恋愛
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作者名:ミイ | 作成日時:2016年3月13日 0時

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