検索窓
今日:2 hit、昨日:0 hit、合計:995,909 hit

147. 疑問 ページ27

.



社長の部屋のドアを開けると。



社長が不在の部屋は

どこか、寂しくて…

その痕跡だけを残して時間が止まっていた。





ベッドに無造作に放置された部屋着のTシャツ

読みかけの雑誌は開きっぱなし

そして、ほのかに残る

社長が愛用してる香水の香り。





社長がここにいなくても

十分過ぎるほど彼の存在を感じてしまう。




「うー…、こんな時は
空気の入れ替えをしよう」





遮光のカーテンを引き

窓を全開にして空気を入れ替えると同時に

澱んでいた空気が流れ始め

社長の存在が少し薄まった感じがした。





だけど、それがすごく心細く感じるのは

どうしてなんだろう…





「あー、ダメダメ。
気合い入れて、掃除しなきゃ」




頭の中で大まかな段取りをきめて




「さて、いきますか」



自分に気合いを入れて

勢いよくゴミ袋を開いた。





燃えるゴミ、燃えないゴミ、資源ゴミ…

片っ端に分別して袋に入れていく。






洗濯物は一ヶ所に集めて

フローリングの床がきれいに現れたところで

洗濯機を回しながら掃除機をかけて

部屋中の床をピカピカに磨いていく。





ついでに窓ガラスも綺麗に磨いて

全部終わった頃にはもうお昼をとっくに過ぎて

時計は3時をまわっていた。





最後の仕上げの仕事に

乾燥機のお陰でカラリと乾いたシーツを持って

社長の寝室へ向かった。





てきぱきとベッドメイクを済ませた私は

ふと、くだらない疑問が頭に浮かびあがった。


.

148. そういう類いのもの→←146. 部屋掃除



目次へ作品を作る
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (944 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
3289人がお気に入り
設定タグ: , 社長 , ミイ   
作品ジャンル:恋愛
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:ミイ | 作成日時:2016年3月13日 0時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。