137. 言いそびれた事 ページ17
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先にコンビニへ着いた私が買い物して
レジを済ませていると孝にぃちゃんが来た。
「ごめんね、仕事中なのに
わざわざ持ってきてもらって」
「いいよ、気にするな」
「今度、お礼するから…本当ありがとう」
「だから、気にするなって」
そう言ってニコッと優しく笑う。
「それより、暗いから送ってくよ。
話したいこともあるし」
さりげなく、私の背中を押して
車の助手席のドアを開けてくれた。
孝にぃちゃんの車は黒のSUVで
ハイブリッドの人気な車種。
「車高が高い分、
運転席から前が見やすいんだ。
だから、渋滞の時もそんなイライラしないで
済むんだよ」
孝にぃちゃんでも
イライラすることあるんだぁ…
「俺、短気だからね」って
私の表情から何か読んだように
孝にぃちゃんが笑った。
私、何も言ってないのに…
社長といい、孝にぃちゃんといい
私ってそんなに考えてることが
顔に出ちゃうタイプなのだろうか。
「昨日、言いそびれちゃったんだけどさ…」
孝にぃちゃんは車のエンジンをかけると
少し戸惑いがちに切り出してきた。
「……うん、なぁに?なにかあった?」
なんだか困ってるような孝にぃちゃんの横顔が
続きの言葉を口にするのを
ためらっているように見えた。
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作者名:ミイ | 作成日時:2016年3月13日 0時