136. ロッカーの鍵 ページ16
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日中の頭が割れるような頭痛も
ムカムカする二日酔いの吐き気も
すっかり良くなっている。
だけど、二日酔いの脱水症状からなのか
それとも寝すぎたせいなのか
体の節々がギシギシして痛い…。
「鍵の落とし物があったんだけど
Aちゃんのじゃない？
四つ葉のクローバーのキーホルダーがついている鍵なんだけど…」
「あ、…それ、私のだと思う」
昨日、立ち上がった時に
バッグをひっくり返しちゃったから
たぶん、その時に落としたんだ。
四つ葉のクローバーのキーホルダーは
会社のロッカーの鍵。
「良かった、やっぱりそうか。
ちょっと今、用事足しに店を出るところだから
途中、鍵を届けてやるよ」
そう言ってくれた孝にぃちゃんに
マンションの近くにある
コンビニまで来てもらうことした。
「たぶん、20分くらいで着けると思うから」
そう言われて電話を切った私は
気だるい体を引きずるようにして
洗面所へと向かった。
顔を洗い、歯を磨くと
少し身体がシャキッとした。
ジーンズを履いて
Ｔシャツとパーカーを身につけ
ボサボサの髪はブラシでとかし
帽子を深くかぶって誤魔化した。
メイクまでは時間がないから
血行の悪い顔をごまかすために
色付きのリップを唇に塗った。
あとは携帯をポケットに突っ込んで
財布と鍵を持って急いでマンションを出た。
外はすっかり日が落ちていて
空を見上げると下弦の月が浮かんでた。
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作者名：ミイ
| 作成日時：2016年3月13日 0時
