102. 我慢強い人 ページ12
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「……なに、ヤッてんだよ」
ところどころ、はぶいて話し終えた私。
さすがの私も「契約結婚」の話までは
副社長に言えなかったんですけど…
だけどやっぱり、副社長は腕を組んだまま
むずかしい顔をして、下を向いてしまった。
本当ですよね…。
まぁ…でも、副社長が思ってるように
私自身が一番ダメだってことは
ちゃんと分かってますから。
それにも増して、昼間の給湯室で
副社長に社長と私の関係を
白状させられてることが
また自分の不甲斐なさを
しみじみ感じさせられてしまう。
「だけど、翔ちゃんって
意外に我慢強いんだね」
うーん…って眉を寄せて
ブラックコーヒーを口に運ぶ副社長。
副社長ってやっぱり、甘い物は苦手なんだ。
コーヒーにミルクも入れないし
…なんて呑気に見てたけど。
ちょっと待って。
なんかおかしなこと言いませんでした？
「あのぅ…誰が我慢強いと
おっしゃいました？」
あれ？私、聞き間違えました？
だけど…確かに
社長のことを我慢強い…と言いましたよね？
なぜそんな言葉が出て来るんでしょうか？
説明が下手くそな私でも
そこまで誤解させるような話し方は
してないと思うのですが…。
「いやさぁ…もうてっきり最後まで
ヤッちゃってるのかと思った」
「はい…？」
「意外とそういうとこ翔ちゃんはマジメっていうか…順番を守るタイプなんだ。
なるほどね、最後までヤッてないんだ」
なんて言って
副社長は可笑しそうに笑うけど…
「さ、最後までって…///」
少しの間を置いて
私のドンくさい頭がその意味を理解して
飲んでたコーヒーを吹き出しそうになった。
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作者名：ミイ
| 作成日時：2016年2月18日 0時
