オレ様社長に恋をして 2 (ページ8)

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38. 臆病ページ8

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「A、あんたそれって
棚からボタ餅じゃない？」

「は！？棚からボタ餅ってなに…それ」

「だって、火事で住むとこが無くなった
あんたにとって、社長のところで居候って
最高にいいじゃない！
いっそ、社長の彼女になっちゃえば？」

「そういうの１００パーセントあり得ないし
あの社長は、私なんか相手にしないよ…」

大学時代からの親友めぐみの言葉を

真っ向から否定して

ハイボールに口をつける。

二人がいる場所は駅前の焼鳥屋さん。

めぐみは大学卒業後

お隣の県に就職したけど

今でも、こうしてたまに会って飲む関係。

当たり前のように、彼氏ができた？

と、めぐみに尋ねられて…

そこで私は、訳分からないうちに

社長の秘書としての業務に就いてることや

社長と一緒に住んでることを

めぐみに話すことができた。

「っていうか、
Aが秘書業務とはねぇ……」

ぐびぐびと生ビールを飲み干しためぐみが

濡れたカウンターをおしぼりで拭きながら

可笑しそうに笑って首を傾げる。

「秘書っていっても…
社長には大野さんっていう
昔からの秘書が、ちゃんといるから
私は日常のお世話程度だけだよ……」

「だけど、イケメンの社長さんでしょ？」

「うん、黙ってたらイケメンだけど…
すごーくオレ様な性格で、
意地悪なことばかりスル人。」

「え、意地悪なことスル…って
アッチの方とか…？」

「ま、まさか！そんなことは、シ、シナいし！
だから、私みたいな女、相手にしないから！」

一番何でも話せると思っていた親友相手でも

さすがにこの間

押し倒されておデコにキスされたことまでは

言えなくて…

きっと私って女は

ひどく臆病で

そういうことに対して

見栄っ張りなんだと思う。

だって、めぐみにも

私がオール未経験の話しはしたことないし

なんか、そんなことさえ隠そうとして

本当のことを言えない自分が

イヤになってしまう。

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