オレ様社長に恋をして 2 (ページ29)

今日:12 hit、昨日:0 hit、合計:1,054,695 hit

59. 想定内ページ29

.

もっと、意地悪なこととか

すごくエゲツないことを言われるのかと

身構えていた私には

少し拍子抜けしたというか…

でもだからって

「そんなことですか、よかった～」

なんて言えそうになくて

まだまだ、何かがありそうで

口を開けないでいた。

「ちょっ、翔ちゃん、
プールでAちゃんとイチャつくなら
誘ってよ～」

ひょこっと、波間から顔を出した大野さん。

『別にこいつとイチャついてた
わけじゃねーし。
その前に智くん寝てたでしょうが…』

「あれは、目を閉じてただけ…というか
夜に備えて休んでただけだよ笑」

『今夜のパーティの件だけど
Aも参加するから』

「え、そうなの？」

私に聞いてくる大野さん。

「…え…パーティ？」

パーティ…って、何のこと？

まるで私の心を読んだかのようなタイミングで

『週末の連休中、Aは俺の恋人役を
演じたいらしい』

いやいや…それは言い方が間違いてませんか？

「えー！翔ちゃんだけズルいよー！」

「ズルいって…別にシたくて恋人役をするわけじゃないので…」

大野さんにそう私が言ってるのに

『じゃあ、連休中、智くんはAに
妹役を演じてもらえば？』

……へ？

「それ！いい考え！
じゃあ、パーティでは、Aちゃんは
俺の妹役ね？」

いやいや…それ、おかしくないですか？

そんなウソついてまで

パーティに参加するって、おかしいですよね？

それに…。

「私、パーティに参加するような服は
持って来てませんから、ム、ムリです！」

よーし、これで断る理由ができた。

『智くん、どう？
夜までに準備できそう？』

夜までって、あと数時間だしムリですよね。
うん絶対にムリ…

「あ、任せて、大丈夫だから♪」

「大野さん、ムリしなくても…」

「だから、大丈夫だって♪
ちゃんとAちゃんに似合うの探しておくから♪」

焦りまくる私を見て

大野さんは、余裕の笑顔を見せてるし…

目が点になっている私に比べて

社長はどこか「想定内」の顔をしているし…

まさかこうなることを二人は予想してた？

いや、そんなことないですよね…。

.