オレ様社長に恋をして 2 (ページ28)

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58. スーパーヒーローページ28

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「ありがとうございました。
鶴の恩返しみたいに、自分の羽を抜いて
はたを織ることはできませんが…
本当に感謝しております…。」

なんて、感謝の言葉を口にしたところで

引き下がる相手じゃないのは知ってるから

社長の次の言葉にビクビクしてしまう。

まともに社長の顔を見れない分

今どんな顔してるかが簡単に想像がつく。

きっと、口元の端をニヤッと上げて…

『俺はおまえの危機を救った恩人…
いや、スーパーヒーローだよな～♪』

なんか、すごーく恩着せがましく言う

その感じが怖い。

「…………。」

『え？なんだって？』

…何も言ってませんが。

『鶴の恩返しなんか問題にならないくらい
俺に感謝の気持ちを表したいって？』

…だから、そんなこと思ってもいませんから。

『そこまで言ってくれるなら～
俺もおまえの危機を助けた甲斐があるよ～』

あのぅ…

何気に私の水着の紐に指を絡めてませんか。

私にはそっちの方が

すっごーく気になるんですけど…

「感謝の気持ちはしっかりと
言葉でお伝えしたつもりなんですけど…」

ビッグウェーブをやり過ごしながら

器用に社長は私に耳打ちしてきた。

『そっか、そっか。
言葉では、感謝の気持ちを伝えきれないから
礼はしっかり返すつもりか…』

さっきから、恐喝まがいに

お礼を要求されてると思うんですけど

これって、私の被害妄想じゃないですよね。

「社長は……な、なにを私にしてもらいたいんですか？」

足のつかないこの場所…

自由に動けないこの体勢…

社長の指先には、私の水着の紐…

私の全てが社長の手の中にあって

このプールの波までが

社長の味方をしてるような気がするのは

考え過ぎですか…？

『そうだな。まず最初は…』

“まず最初”って…

どれだけ要求してくる気なんですか…泣。

いつもにないくらいに近すぎるこの距離

胸がドキドキするとは別の意味で

胸の鼓動がいつもより早いのは

何を要求してくるかがわからなくて

不安で落ち着かないせいだと思う……。

「この連休の間…
俺の恋人のフリでもしてもらおうかなぁ～』

「………はい？」

社長の要求は、私が想像もしないことだった。

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