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33. 信頼と安心感 ページ3

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社長のその言葉は

私が、まったく想像すらしてなかった言葉で。





セクハラまがいというか、

完璧にセクハラの域に達してるセリフなのに

腹が立つどころか

ドキドキしてしまうのは、なぜ?




だから、勢いよく

「そんなことありません!」って

否定するべきはずなのに…

反論なんか、できるわけもなく…







私としては

確かに、大人の社長は絶対に

悪ふざけのラインを越えることはしないって

どこかで思ってた。




それは、この一週間

一緒に暮らしはじめて思ったこと。




だから、それは

社長への信頼というか安心感というか…





『おまえ、俺のこと信用し過ぎ』


「え…」


『そのお前の俺に対する信頼感…
男としては素直に喜べねぇんだけど…』


「え…ぁっ…?!」



不意打ちで腕を掴まれ

クルリと体を反転された。



なにが自分におきたのか

わからないくらいほんの一瞬のこと。



顔の両側で押さえつけられた私の手と

のし掛かった社長の体重で

身動きのきかない体。



目の前には私を見下ろす社長の顔と

部屋の天井。



『おまえさぁ…
もし俺が、その気になったらどうすんの?』




意地悪な笑みを浮かべる赤い口元。



だけどその目は少しも笑ってなくて…

少しの感情も私に読み取らせようとしない

社長の冷たい眼差しが私を見下ろしている。





だけど、不思議と怖くはなかった。





「社長は、私が本気で泣いて嫌がるようなこと絶対にしないはずです…」



真っ直ぐにその目を見て言った。



強がりなんかじゃない。

社長のことをバカにしてるわけでもない。




だって、私にはわかるんだもん

ずっと憧れて来た櫻井社長だから…。



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設定タグ: , 社長 , ミイ   
作品ジャンル:恋愛
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作者名:ミイ | 作成日時:2015年12月29日 23時

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