オレ様社長に恋をして 2 (ページ19)

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49. キスするぞページ19

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低いエンジン音を響かせ車が動き出す。

前を向いたままの私は

いまだに、社長の顔を見れない……

流れるような景色を眺めながら

通りすぎた信号の数を数えたりしてた。

『信号無視しないで、安全運転しろよ』

「今のは仕方がないの。
急ブレーキ踏んだ方が危ないんだから」

『そう言って、正当化してるけど…
黄色なのに減速するどころか
アクセル踏み込んでたよね、智くん。』

「あ、バレてた… (笑)
俺の可愛い妹ちゃんが乗ってるから
事故おこさないよう気を付けて運転するよ」

ね？

なんてルームミラーごしに私を見て

微笑む大野さんに、私もニコッと笑った。

『へー、おまえ智くんとは
目を合わせるんだぁ…』

「別に…そういうつもりは…」

私の横に座る社長の視線を避けるように

窓の方へ視線を向けると

シートが擦れるような音が耳をかすめた。

『なぁ、A？』

やけに近くで聞こえた声。

反射的に社長の方へと振り向くと…

「……！」

私の方へと身を乗り出してた

社長の顔の近さに呼吸が止まった。

『いい加減、目くらい合わせろよ』

社長の目には私が映り込んでて

とっさに後ろに身を引こうとすれば

私の首の後に手を回して逃げ場をふさがれる。

「………///」

何か言おうにも顔が近すぎて無理。

頷こうにも首を横に振ろうにも

弾みで社長の唇に当たってしまいそう……

『これ以上そっぽ向いたままなら
おまえが何言おうがキスするからな』

「は、はい…わかりました。
だから離れてください……、」

そう言うと

とりあえず社長はシートに戻ってくれた。

『俺にキスされたかったらそっぽ向いてろ』

「いえ、絶対にそっぽは向きません」

クスクスと楽しげに笑いながら

運転してる大野さん。

「“都会のオアシス”に到着したよ～♪」

大野さんの歌うような声につられて

前を見ると…。

前方のビルの合間に

リゾートホテルがチラリと顔を覗かせた。

「ひょっとして…
今日、ここに宿泊するんですか？」

『そうだ』

てっきり、温泉旅館だと思ってた私は

立ち並ぶビル街にひときわ目を引く

大きくて南国テイストな建物に

目を奪われていた。

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