オレ様社長に恋をして (ページ10)

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10. 夜景ページ10

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『ほら、入って』

玄関を開けてもらって

社長の部屋へと入った。

「おじゃまします」

『おじゃましますって、今日からお前もここに住むのに、なんか、ヘンじゃねぇ？』

ん？じゃあ…

「…ただいま？」

『おかえり～♪…って、
なんで俺がお前に言うんだよ！』

「す、すいません！」

『まぁ、いいか…』

そう言うと、リビングに向かう社長。

私も、彼の後ろをトコトコ着いて行く。

…すると。

「うわ～！き、きれい！」

リビングの窓から見える、色鮮やかな夜景。

昼間は、全く気づかなかったけど

こんな景色が見えるんだぁ…

すごいなぁ…

宝石箱を散りばめたみたい…。

思わず窓に張り付くように見てると

パチン…と、リビングの明かりが落とされ

間接照明でソファーの部分だけが

照らされている。

そんな私の後ろから、社長が近づいて来た。

『……おい、A』

低い声。

社内では、苗字でなく、

ほとんど名前で呼ばれてたから

違和感はないはずなのに

今はなんかちょっと違う。

社長の声って妙に体に響く。

空気と一緒に、心まで震わせるような……。

なんて戸惑っている私をよそに、

超至近距離に立つ社長。

社長の瞳に夜景が反射して

それが怪し気な光を放ち、

私を見下ろしている。

ちょ、ちょ、待ってください！！！

もしかして、これって、えー、社長…？！

男と付き合ったことないような女だから

赤子の手をひねるくらいに

ちょろいと思われてる？

部屋を暗くしたのもそのため…とか？

頭にカーッと血が上る。

「や、やめてくださいっ！
わ、私、そんな、かるい女じゃありませんから！！」

『ーーー……。』

シーンと静まり返るリビング。

どうしよう、

社長に手篭めにされるくらいなら

走って逃げようか！？

だけど、住む部屋も無ければ、

職まで失っちゃうよ！？

それは、やっぱり困るー！！

いろんなことをぐるぐる考えて

あまりにも静かなことに

違う違和感を感じ

おそるおそる顔をあげると

『A…、おまえさぁ…』

また名前を呼ばれた。

だけど、さっきとは違う声音…

今度はあきれたような声音で…

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