04. お引っ越し ページ4
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全くわからない状態で会社を出た。
「ほら、早く乗って、乗って〜〜♪」
「ちょっ、待って…
押し込まないで、ください…」
無理やりタクシーに乗せられ
二宮副社長が運転手に住所を伝えた。
「じゃあ、今日は戻らなくていいから
引っ越しの後片付けでもしなさいね〜」
半分、パンクしてる頭で
ジッと恨めしそうに副社長を睨むと
パチンとウィンクされた。
わかんない、わかんない、わかんない…
夢だ、悪だ、悪夢だ…
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「お客さん、着きましたよ」
半分、居眠りして
タクシーから降りた私の目の前には…
何コレ？
えっ、コレって、ホテル？
中の空間もすっごい高級だし…
キラキラなシャンデリアに…
百合の香りがすごいよ…
…って、あれ？
私は、ここの何階に行けばいいんだっけ？
キョロキョロすれば
エントランスのソファーで
居眠りする大野さんを発見。
「あ、あのぅ…」
「んー…あ、来たの？」
「は、はい…」
「このマンションの最上階だから、行って…」
「…えっ、、」
「ほら、さっさと行きなって
翔ちゃんが待ってるから…」
そう言うと、また目を瞑る大野さん。
すごーく心細いまま
エレベーターにひとり乗り込んだ。
ポン…と、小さな音とともに
最上階に着いたエレベーターのドアが開いた。
最上階の奥にある
たった一つしかない部屋。
この玄関のドアの向こうに櫻井社長が…。
どうしよう…
社長と話したこともないのに…
深く深呼吸をして
少し、震える指先でチャイムを押した。
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作者名：ミイ
| 作成日時：2015年12月7日 23時
