オレ様社長に恋をして (ページ28)

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28. 雷ページ28

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社長はなんだかんだ言いつつも

ひじきの煮ものに入ってる椎茸を口に運び

嫌な顔をしつつも飲み込んだ。

苦手な物を先に片付けるのが

社長の食べ方。

嫌いだなんだと言いつつも

出されたものはきちんと食べる。

それをわかってて

少し大きめの椎茸を入れる私は

ちょっと意地悪かもしれない…笑。

『お前がここに来てまだ一週間だけど…
俺の体重…マジ1キロ増えた。』

ホイル焼きを箸でつまみながら

社長が困ったように笑った。

「いいことですよ。健康的で」

無駄な肉のないしなやかな体付きは

顔と同じくパーフェクト過ぎて嫌みなくらい。

だから、ちょっとくらい欠点があっても

いいと思う。

『帰って来る時は大丈夫だったのに
雨降って来たな…』

社長の声につられるように窓の方を向くと

遠くで稲妻が光った。

雷は嫌い…。

不意討ちに走るあの閃光と

お腹に響くあの轟音は

大人になった今でも大の苦手…。

もし落ちてきたら、なんてつい想像してしまう。

『悪ぃけど…ビールのおかわりもらえる？』

硬直してしまっていた私は

社長の声に視線を窓の方からはずした。

私もサッサと寝る用意して

ベッドに入らなきゃ…

「はい、社長ビールです……ッ…」

ビールを手渡そうとしたその時

閃光が走ったかと思うと

部屋を揺らさんばかりの轟音が轟いた。

『だいぶ近かったな…
停電するんじゃないか？』

冷静な社長とは真逆に

体を硬直する私。

だから、雷は大嫌い…。

油断してたら突然やってくる。

雷ごときで泣くほど子供じゃないけど

不意討ちされると

一瞬思考が停止してしまうくらいの

衝撃を受ける…。

「っ…ッッ！」

身構えててもこの独特な音は苦手…

というか怖い。

勝手に体が跳ね上がるし

なぜだか反射的に耳を塞いで

体を小さく丸めてしまうなんて

ヘンな癖が出てしまう。

これじゃ情けないけど小さな子供と

変わらない。

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