19. 誰が好き ページ19
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朝からの会議、私は大野さんと一緒に
会議室の準備に大忙し。
資料を各席に用意して
飲み物の準備から、機材のセッティング。
10時少し前になると
ぞろぞろと上の方達が集まりだした。
「よし、次は会議が終わるまで
デスクワークだな…」
そう言ってた大野さんは
椅子に座って、5分も経つと眠たそう。
「Aちゃん…コーヒーお願いできる？」
「はい、わかりました」
秘書室を出て、給湯室に向かう途中。
あ！あの人、昨夜の綺麗な女性！
社長のセ○レの人だ！
わっ、やっぱりモデルさんみたいだなぁ…
どうしたら、あんなスレンダーな体型に
なれるんだろう？
社長室の隣の部屋にもどり
大野さんにコーヒー…って
もう完璧、熟睡してるし…。
自分のデスクに戻ってから
妙にモヤモヤした気分をもて余してた。
自分ばかりが
社長に子供扱いされてるみたいで
おもしろくないというか…
やっぱり、特徴のない普通の女性は
男性に大切に扱われないのだろうか…
いやいや…、別に…
社長に特別扱いして欲しいとかじゃなくて
普通でいいんだけど…。
やっぱり、社長は
自分の彼女には優しいのかな…
まあ…社長に彼女がいるようなウワサ話は
今まで聞いたことはないけど
……モテないわけないし。
ああいうタイプの人って
アメリカで経営学以外にもきっと
たくさんのことを学んできたんだろうなぁ…。
私はといえば…
昔から、何かとタイミングが合わないせいか
恋の一つも成就出来なかった中学、高校生活。
大学でこそと思っていたのに
これまた、女子大にトントン拍子に入学。
そのあげく門限7時とか
意味不明な決まりまでつくられ
合コン一つ参加できなかった４年間。
経験を積んで来た社長と
経験不足どころか皆無に等しい私。
女として魅力がどうとかって問題より
あの綺麗な人の足元にも及ばない。
だから…
少しは、あの綺麗な女性に近づくため
ダイエットするのを許してくれる…とか。
短いスカートもOKしてくれる…とか。
だけど―――。
「別にあの人のことなんか…
好きじゃないから…いいか」
「…じゃあ、Aちゃんは誰が
好きなのかな？」
「え？」
寝てる大野さんの後ろで声がした。
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作者名：ミイ
| 作成日時：2015年12月7日 23時
