オレ様社長に恋をして (ページ16)

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16. スカート丈ページ16

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マンションの前に、横付けされた車。

社長に気づいた大野さんが

さっと運転席から降りて来て

後部座席のドアを開けた。

「おはよう、翔ちゃん」

『おはよう…って、ドアぐらい自分で開けるから智くんは、気にしなくていいよ』

「うん、でも俺が好きでやってることだから」

眠そうな目をして、笑う大野さん。

「おはようございます」

「おーはっよー、Aちゃん♪
どうだった？今朝、翔ちゃん起こすの
大変だった？」

「うーん…なかなか起きてくれなかったですけど、大丈夫でしたよ」

「本当に大丈夫？お兄ちゃんには、ウソつかなくていいからね？
翔ちゃんに何かされなかった？
お兄ちゃんとしては、妹のAちゃんの身が
心配で、心配で…」

そう言って、なぜか私の首の辺りを

チェックする大野さん。

「え？な、なんですか？」

「キスマークとか付けらてないかと思って」

「キスマークとか、そういうこと
シテませんから///」

『朝から、兄妹ごっこしてないで
早く会社へ行くぞ』

「は、はい！」

社長に怒鳴られ、慌てて車に乗り

真っ黒な本革シートに身を沈め

シートベルトを締めるやいなや。

『それ、ちょっと短くねぇか？』

「はい？」

不満げに眉を寄せ

腕を組む魔王様…じゃなくて社長。

彼の視線を辿ると

どうやら今日のスカート丈について

言ってるらしい。

「そうですか？普通だと思いますけど…」

今日は、明るめのグレーのスーツで

スカート丈も昨日とそう変わりない。

ああ…だけど。

座ると、確かに少し短くなるかも…。

『明日からは、スカートの丈に気をつけろ。
膝上10センチのスカートは、許さねぇからな』

耳元に直に響く低い声。

えー！

学生時代のスカート丈検査じゃあるまいし

膝上10センチのスカート禁止って

は？なにそれ…。

ふわりと足元に掛けられる社長の背広。

「…？」

『車の中は、エアコンが効いてるから
足元は冷やすな』

不意打ちは反則です。

身構えてない分

どう反応するべきかがわからない。

「…見苦しい足を出して、
申し訳ありません…」

『バーカ、そういうこと言ってんじゃねぇよ』

昨夜から、人のことバカバカって言って。

バカって言う人がバカなんですーっ！！と

小学生レベルの反論を心の中で喚き

私はムッスリと窓の外へと顔を向けた。

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