オレ様社長に恋をして (ページ15)

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15. 朝のひとときページ15

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「あ、朝から会議です！」

しかも今日は重要な会議のはず。

さすがの社長も、休むわけにはいかない。

『……。』

絡められていた指がピクリと止まった。

「…ですので、早く支度してください。
８時には大野さんが、迎えに来ますから」

なるべく、声が震えないよう

懸命に、冷静な表情を保つ。

心臓がドキドキしてるのは

相手が社長だからではなく

単に、こういうシチュエーションを

男性と経験したことがないから…で。

決して、櫻井社長に

ときめいてるわけではない。

『…A』

少しでも動けば

耳に唇が触れそうな距離のまま

社長が私の名を呼んだ。

その吐息に

背中にヘンな感覚が走る。

『……コーヒー淹れといて。
ブラックでいいから』

「はい」

子供がおもちゃをほっぽり出すみたいに

社長は私を解放した。

ちょっと拍子抜けするくらいに

それはもう、あっさりと…。

「…なんなの、この私に対する扱いは……」

文句を言いながら

私は、バスルームから聞こえてくる

シャワーの音を聞きながら

キッチンに立った。

コーヒーメーカーをセットして

冷蔵庫から昨夜買った

いくつか食材を取り出すと

簡単な朝ごはんの用意を始める。

レタスをちぎり、

きゅうりとトマトをスライス。

スクランブルエッグを作り

ハムも用意して

サンドイッチ用の食パンに挟んで終了。

『おっ、美味そう』

「…っ！！」

いきなり背後から現れた社長に驚いて

危うくサンドイッチを

落っことしそうになった私。

「ビックリさせないでください」

まだ髪の濡れたままの社長を軽く睨めば

『ああ、悪ぃ、悪ぃ』

なんて、すごーく楽しそうに笑う社長。

本当、心臓に悪いですよ。

それに…。

「は、は、早く服を着てください///」

いくら、秘書というか…

召使いの私を女と認めてなくても

腰にバスタオルを巻いただけの姿で

ウロウロされては困ります…。

着替えの済んだ社長がキッチンに現れた。

新聞を読みながら

コーヒーを飲む姿はさまになるし

着ているものはもちろん

その容姿まで一級品。

だけど、なんて言うか…。

『そんなに見つめるな。
俺に抱かれたいのはわかるけど
おまえを抱いてやるには時間がたりない』

「…っ、結構です///」

クスクスとたちの悪い笑みを

もらす社長を無視して

私はミルクをたっぷり入れた

コーヒーを飲んだ。

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