オレ様社長に恋をして (ページ13)

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13. 最高のバカページ13

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『…い……おい』

頭の上から声がする。

「ん……」

『おい起きろ。こんなところで寝るな』

「ん…あっ!？」

顔を上げると社長が私の顔を覗き込んでいた。

「しゃ、社長！」

『お前はバカか？』

「バッ……バカッって」

『外で寝るとか、ありえないだろ！』

「……バカじゃ…ないです」

『こんなマンションの植え込みのかげで
寝る女はバカだろう！』

「――う」

否定できません…。

ふらふらしつつ体を起こそうとしたら

社長が無言で腕をつかんで立たせてくれた。

「すみません…」

『ほら、その買い物袋持ってやるから』

「…ありがとうございます」

買い物袋を渡すと

社長はもう私に背中を向けている。

男らしくて広い背中。

一瞬、さっきの彼女さんが社長のこの背中に

腕を回している姿が目に浮かんで

慌てて首を振り、その幻影を振り払った

やだ、私なに考えてるんだろう？

『A、お前さぁ…』

「はいっ」

『何で、あんなとこで寝てたの？』

「そ、それは…」

『お前、危機感とか持ち合わせてねぇの？』

「一応…あります」

『じゃあ、なんであんなとこで寝るんだよ
やっぱ、お前バカなの？』

「バカじゃない…です…ただ」

『ただ、なんだよ？』

「邪魔はしたくなかったので…」

『邪魔？』

「はい、社長と彼女さんの邪魔になるかと…」

『ブッ、アハハ！
え？なに？さっきの女性…
俺の彼女だと思ったの？』

「はい」

『お前って、やっぱバカだな』

バカ、バカ…って

そんなに言われたら

本当に自分がバカに思えてくるよ。

『なに、落ち込んでるんだよ』

「バカな私でも…一応、落ち込むんです」

『ふーん…』

私たちの間に流れるなんか微妙な空気。

『さっきの人…俺の彼女じゃねぇよ』

「えっ、違うんですか？」

『そう。ただのセ○レだから』

「…セ○レ？…なーんだ、
ただのセ○レなんですか」

『おまえ、一応聞くけど…
セ○レって意味知ってんの？』

んー？

聞いたことあるような、ないような…

「セ…性格がいい
フレ…フレンドリーな人…ですか？」

『ブフッ！！やっぱりおまえ最高のバカ！』

「えっ、違うんですか？」

『お子ちゃまは、早く風呂入って寝ろ』

社長は、笑いながら

『俺、これからやんなきゃいけない仕事あるの。バカなお前はさっさと寝ろよ』

私が頭を下げると

社長は、自室へと入って行った。

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