PSYCHO-PASS オッドアイ監視官-Part2-

#13-2　深淵からの招待 ページ43

禾「しかしシステムとはね、完璧に機能することよりも
　 完璧だと信頼され続けることの方が重要だ
　 シビュラはその確証と安心感によって今も人々に恩寵をもたらし
　 人類の歴史において未だかつてない程に
　 豊かで安全な社会を我々は成立させている」

宜「･･･はい」

禾「宜野座君･･･私は君という男を高く評価している。
　 もちろんA君の次にだがね。
　 本来ならば君の階級では閲覧は許されない機密情報だが･･･
　 私と君の信頼関係において見せてやろう･･･他言無用だぞ」


そういってパソコンを操作して一人の人物のデータを出す禾生


宜「これは･･･っ」

禾「とある男の逮捕記録だ
　 彼は犯罪係数の計測なしに身柄を確保された。
　 記録上は任意同行ということになっているがね･･･」

宜「藤間幸三郎!!」

禾「3年前に世間を騒がせた連続殺人の被疑者だ
　 君たちの現場では《標本事件》などと呼ばれていたようだが･･･
　 彼を取り押さえるに至った刑事課二係には徹底した箝口令が敷かれた」

宜「何故です!?この男の為に我々がどれ程!!」

禾「今回のケースと同じだよ」

宜「!?」

禾「事実上の現行犯･･･そしてあらゆる物証の裏付けがあったにも拘らず
　 藤間幸三郎にはドミネーターが反応しなかった･･･
　 彼の犯罪係数は規定値に達していなかったんだ。
　 我々はこうしたレアケースを"免罪体質者"と呼んでいる」

宜「免罪･･･体質!?」

禾「やはりA君からは何も聞いていないんだな」

宜「!?なぜ･･･司狼A監視官が出てくるんですか」

禾「･･･A君も関わっていることだからね。
　 それに彼女の階級ならばこの資料は閲覧はできる」

宜「･･･?!」

禾「特殊事例は確率的にはおよそ200万人に一人の割合で
　 出現しうると予測されいる。槙島聖護の件についても驚くには値しない
　 この男は3年前の事件にも関与していた節があるのだろう？
　 藤間と槙島･･･二人の免罪体質者が揃って犯行に及んだからこそ
　 あの事件の捜査は難航を極めたわけだ」

宜「･･･藤間幸三郎はどうなったのです？」

禾「《行方不明》と公式には発表されているわけだが
　 私もそれ以外のコメントをここで述べるつもりはない
　 ともあれ重要なのは彼の犯罪による犠牲者が
　 二度と再び現れることはなかった･･･という事実のみだ
　 ･･･彼はただ消えたのだ。」

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