PSYCHO-PASS オッドアイ監視官-Part2-

#12-3　Devil's crossroad ページ34

六「私に何ができるってゆうのよ
　 …なんで私なの？…執行官の適性があったから？」

狡「こういう捜査には嗅覚が必要なんだ。刑事独特の嗅覚が。
　 シビュラはそれが君にあると判定した。
　 これ以上の協力者はいないだろう。」

六「佐々山って…」

狡「ん？」

六「待ちくたびれたって言ってた」

狡「あぁ」

六「執行官？」

狡「そうだ。」

六「本当に連れ歩いてるのね。飼い犬みたいに。
　 刑事の嗅覚じゃなくて、犬の嗅覚でしょ？
　 いやよ。そんな色相が曇りそうな事したくない。」

狡「ここを出てまた音楽をやるつもりか？」

六「関係ないでしょ」

狡「随分熱心だな。23回もギターの弦を購入申請してる
　 爪も未だに丁寧に整えてる」

六「もういいでしょう！帰って！！！」


目の前の窓を叩く六合塚
そこに彼女が購入申請を何度も提出していた
ギターの弦を出す狡噛


六「！！！」


思い出が脳裏をよぎり
その弦に手を伸ばす六合塚



『慎也…少し席を外してくれる？』

狡「…わかった」


弦を置いて外に出る狡噛


『初めまして、弥生さん。
　私は司狼 A、監視官です。
　まず始めに･･･覚えていてほしい事があるの。
　執行官は犬じゃないわ。監視官も飼い主ではない。
　区別するために名前が存在するだけで
　人間性を失うようなものではないの。』

六「･･･」

『あなたは猟犬として、見下して執行官をみてるのかしら？
　でも私たちは違うわ。監視官あっての執行官。
　だけど執行官あっての監視官でもあるのよ。』

六「だから？別に犬にはかわりないでしょう？」

『いいえ。違うわ。
　そうね･･･音楽でいうと、ギターかしら。
　楽器はあるだけじゃ意味がない、弾き手がいないとね。
　でも弾き手も楽器がなければ音は生み出せない。
　それらが終結してできたﾊﾞﾝﾄﾞがいわば刑事課ね。
　･･･犯罪係数だけでは、人の本質ははかれない。
　それに私は執行官を信頼しているわ。』


そう言いながら優しい眼でみつめるA
自分が子供に思えて、目をそらす六合塚



『うん、でもごめんなさい。話それすぎちゃった。』

六「え？」

『私はね、弥生さんと話がしたかったの。
　実は同い年だし、私も音楽は好きだからね!』

六「そう･･･なの?」

『うん！』



さっきとは違って、年相応の笑顔をみせるA

#12-4　Devil's crossroad→←#12-2　Devil's crossroad

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す