PSYCHO-PASS オッドアイ監視官-Part2-

#10-5　メトセトラの遊戯 ページ20

船「学生の頃から、不思議な子だったよ。
　 成績は抜群なのに、自慢もしないし人から妬まれることもなかった。
　 どんな揉め事も、朱が間に入ると解決しちゃうの。
　 サイコパスの色相がいっつも最高にクリアなのって
　 きっとああいう人間ばっかなのかな。
　 あ････もしかして振り回してくる部下って、あんたの事？」

狡「…俺のことをそういう風に言ってたのか、あいつは」


狡噛は苦笑し、新たなケミカルライトを投げる


狡「罠だ。」


そこには、刃物のついた大型の仕掛けがあった
数メートル先には、無数のスパイクがついた吊り天井



狡「罠までアナログだな。いい趣味してるぜ。
　 ドローンはあくまでも誘導…仕留めるのはアナログの道具…」

船「あ、待って! さっきと同じバッグだよ。きっと何か入ってる!」


船原は無防備に駆け出す


狡「よせっ！」


船原がバッグを持ち上げた瞬間、警報ベルが鳴る
その音を聞きつけて、猟犬ドローンが迫る
船原の手を引いて物陰に隠れる途中、発砲音がし壁を抉る


船「今…今、人がいた!」

狡「ああ。これでゲームの趣旨が見えた。奴ら狩りを楽しむ気だ。」

船「か、狩り？」

狡「ドローンは猟犬役。俺たちを追い詰めた後、プレイヤーが仕留める。」

船「そ、そんな…」

狡「大丈夫だ。さっき拾ったバッグは？」

船「これ…」


船原から受け取ったバッグの中にあったのは電子機器だった


船「何これ？」

狡「携帯トランスポンダだな。軍事用コードも使える強力なやつだ。
　 このタイプならたぶん、電波妨害の中でも送信できる。」

船「助けが呼べるの!?」

狡「だが･･･バッテリーとアンテナが無い。」

船「そ、そんな…」

狡「このままじゃ、ドローンの餌食を待つだけだ。
　 今から少なくとも一台仕留める。アンタはここに隠れてろ。」



狡噛は荷物を船原にもたせ、排水溝から飛び出し
泉宮寺の視野内を駆け抜けていく

それに気づき追いかけていく猟犬ドローン
泉宮寺は猟銃で発砲するが当たらない

狡噛はそのまま走り続け、猟犬ドローンの上に飛び乗る
そして、装甲の隙間を狙ってスタンバトンを刺し込み放電する

このとき猟犬ドローンの胴体に携帯トランスポンダの
バッテリーが貼り付けられている事に気付く

猟犬ドローンは飛ばされ、先ほどの罠にかかり半壊
素早くそこについていたバッテリーを回収した狡噛
その時、目隠しされた女が一瞬みえた



狡「A！？」

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