PSYCHO-PASS オッドアイ監視官-Part2-

#9-4　楽園の果実 ページ14

征「アイツの子供時代ってのは、まだ
　 シビュラ判定が実用されてまもない頃でな。
　 世間では潜在犯に対する過剰な誤解やデマが横行していた。
　 親兄弟から犯罪係数が計測されたというだけで
　 その家族までもが同類の扱いを受けた。」



缶コーヒーを飲みながら話し続ける征陸



征「さぞや辛い思いをしたことだろうさ。
　 刑事が捜査に深くのめり込めば、結局はシビュラシステムから
　 犯罪者の同類としてマークされるようになる。
　 おかす側も取りしまる側も、同じ犯罪という現象に
　 直面している事に違いは無い。
　 今みたいに、執行官なんて役職ができる前には
　 そうやって潜在犯として診断された刑事が大勢いた
　 宜野座監視官の父親もその１人だ。」

朱「そうだったんですか･･･」




征「だからアイツは自ら進んで危険をおかす奴を許せない。
　 なのに、同僚だった狡噛も･･･」

朱「ええ、知ってます。」

征「父親と相棒に2度も裏切られたという思いがあるんだ。
　 だから、お譲ちゃんに対する態度もあんな風になっちまう。」

朱「でもだからって･･･」

征「間違っちゃいないさ。
　 お譲ちゃん、アンタにだって友達や家族はいるんだろう？
　 アンタのサイコパスが曇ったら、今度はその人達が
　 伸元と同じ苦しみを背負う事になる。
　 そうならない為に俺達執行官がいる。」

朱「狡噛さんも、そんな風に思ってるんでしょうか？」

征「以前はな。だが今は、例の"マキシマ"って奴のこと以外
　 目に入らなくなっちまってるのかもしれない。
　 A嬢もそいつと関わっているのなら、余計だろう。
　 伸元も、あぁみえてA嬢の事はコウや嬢ちゃんと
　 同じ位心配しているんだよ。」

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