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しかしガラスと違うのは、
それがある所と無い所の
境界線がないんだ。
まるでパントマイム。その触れる何かを這うように
手を動かせば、左手はすぐに端へとたどり着く。
しかし右手に触れるのは、
平な何かが続く感触だ。
A「ここに何かあるんだけど、結界かも」
鶴丸「結界…?
もしかして、加州が言っていた納屋か?」
ここの審神者は隠す習性があるようだ。
パントマイムのように触り続ければ、
どうやら四角い大きな箱のようになっている。
鶴さんが言った通り、
もしかしたら納屋を隠してるのかも…?
鶴丸「確かに、何かあるな」
A「壊してみる?」
鶴丸「これを、壊せるのか?」
やってみなければ分からない。
これだけ大きな結界を張っているんだ。
中にはよっぽど大切な物か、逆に見たくない、
見られたくない物が入っていると推測できる。
左手首に付けている数珠から
神霊刀を取り出そうとしたが、
それを鶴さんに止められた。
鶴丸「着替えなくていいのか?
何があるか分からないぞ?」
A「あ、そっか。そうだね、着替えよう」
今の私の服装はただの着物だ。
力を発揮できる巫女の姿じゃない。
それに気づいた鶴さんが教えてくれたんだ。
鶴さんも準備をしてから来ると言うので、
私も一度部屋に戻り、
何が起きてもいいよう準備する。
政府が送ってくれた自分の荷物から、
数枚の御札を取り出して懐に仕舞う。
左手首に付けている薄ピンク色の数珠とは違う、
神霊刀のような色をした数珠も取り出し、
それも左手首に付けた。
そして、高い位置で結っていた髪を解き、
低い位置に結び直す。
そこには
備えあれば憂いなしって言うしね。
準備は出来る限りしていった方がいいだろう。
A「さて、壊しに行きますか!」
気合を入れ、私は部屋を出た。
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作者名:まほろ | 作成日時:2020年3月19日 12時