２４．裏庭を調べましょう ページ47
鶴さんと別れ、
昨夜の情報から裏庭へと向かう。
本丸の構造上、縁側がぐるっと一周繋がっていたから
移動は簡単で、それが出来なかったら
庭掃除から始めなければいけないところだった。
ギシギシ鳴る廊下を歩き裏庭へと向かったのだが、
目の前に広がるのは雑草の海。
納屋と言うぐらいだし、
どれだけ雑草が生えていようと
屋根ぐらいは見えると思っていたのだけど…。
建物の屋根らしき物は一切見当たらない。
A「壊しちゃったのかな？」
それとも屋根が物凄く低い建物で、
この雑草たちに隠れてしまうぐらいなのだろうか？
……いや、それを納屋とは言わないか。
仕方なく裏庭に降り、
高く伸びた雑草をかき分けながら歩いてみる。
端から端まで歩いてみたけれど、
やっぱり建物らしき物はなかった。
A「やっぱり、壊しちゃったんだな」
自分でそう結論付け、
本丸へ戻ろうと歩いていた時だった。
A「痛ったぁぁぁい！！」
調べる為に歩いた場所は端っこ。
戻ろうと歩いたのは、裏庭を突っ切るように。
そこには何もないのに、
何故か何かにぶつかったんだ。
あまりにも突然の衝撃で後ろに倒れ、
完全な尻餅をついてしまう。
おでこは痛いしお尻も痛い。
何なら支えた手も痛い。
ずっと座り込んでいるわけにもいかないし、
ぶつかった場所に痛む手を伸ばしてみる。
A「マジか…」
まるで綺麗に磨き上げられたガラス。
そこには確かに触れる感触が、
手に伝わる"モノ"がある。
A「ありきたりっちゃ、ありきたりか…」
鶴丸「主、どうした？！」
私の声を聞きつけてか、
鶴さんが心配そうな顔をして縁側に立っている。
……え？マジでガラスなの？
手に触れる何かはあるのに、
そこから鶴さんの姿が見えているのだ。
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作者名：まほろ | 作成日時：2020年3月19日 12時
