１５．供養しましょう ページ29
どれだけの時間
泣いていたのだろうか。
泣き過ぎて目が痛い。
何とか自力で涙を止めて落ち着き、
持っていた刀身を身体から離して語り掛ける。
A「遅くなってごめんね…。
ちゃんとお見送りするから、外に出ようね」
ゆっくりと折れた刀身を箱の中に戻し、
その箱を持って立ち上がる。
鶴丸「先に手当てしないとダメだろ」
A「ううん、先にやりたいんだ。
ごめんね、ありがとう」
鶴さんと一期に、
他の箱を持って来てくれるよう頼み、
降りて来た狭い階段を上る。
暗闇から明るい外に出たおかげで目が眩んだけど、
すぐにそれも慣れて視界がはっきりとする。
乱「だ、大丈夫…？」
厚「なんだ、いち兄に斬られたと思ったんだけどな」
薬研「あれ？鶴丸…、おまえ何でこんな所に…」
鶴丸「その話は後だ。
悪いんだが手伝ってくれないか」
鶴さんに頼まれ、
薬研と乱、厚と一期はまた地下へと入って行く。
私は持っていた箱を縁側に置いて庭へと降りる。
その庭に座り込み、
伸び放題、生え放題の草の処理を始めた。
その行動の意味は、
これから折れた彼らの
折れた刀身の数は膨大で、
広い場所が必要だった。
それなら庭を掃除して、
そこを弔いの場所とするのが一番だと思ったんだ。
枯れた草と青々している草を
分けながら掃除をしていく。
すると地下から戻って来た鶴さんが庭に降り、
私の手伝いをしてくれる。
そんな鶴さんを見たからなのか、
他の４人も手伝ってくれた。
あ、こんのすけは手伝うなんて無理だから、
縁側で私たちの姿を見ているだけだよ。
全員で草むしりをすれば早くて、
ある程度の広さを確保する事が出来た。
そこに枯れた草と、
掃除中に見つけた小枝や木を一か所に集める。
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作者名：まほろ | 作成日時：2020年3月19日 12時
